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「劇場版 GのレコンギスタIII 宇宙からの遺産」(2021年作品)感想 [映画]

富野由悠季監督による日本のアニメ映画。

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<雑感>

配信がないから劇場に行ったのだが、客がウチらだけだったわ。貸し切り状態といえば聞こえはいいが、もうこんな寂しい思いはしたくない。次は配信してください。嫌ですあんなの。

内容はテレビと一緒で、宇宙へ上がるメガファウナ、ヘルメスの薔薇の設計図を得たアースノイドと科学力は進んでいるが平和ボケのスペースノイドとの戦争を見るためにクラウンに乗り込んだクンパ大佐、さらにクンパ大佐を補佐するために宇宙へ上がったマスク。グシオン総監の計画を盗み自分の子供を使って戦争参加するアメリア。権威にしがみつくスコード教、クーデターでトワサンガを奪ったレコンギスタ派のドレッド家、無派閥のトワサンガ守備隊、旧王政派のレジスタンスが入り乱れて戦う展開。

地球サイドは、キャピタル・アーミーがマスクのスペースガランデン。アメリアがクリムのサラマンドラ。海賊部隊であるメガファウナ。入り乱れているけれども、彼らは基本的には一致して宇宙からの脅威であるトワサンガ勢と敵対している。ザンクト・ポルトからは何の脅威も感じずに拍子抜けしていたところに突如ドレッド艦隊が襲ってくるのだ。

アースノイドとスペースノイドは、ザンクト・ポルトのスコード教大聖堂で会合を持つが、話し合いは紛糾する。それを見学していたアイーダは大人たちの扮装に疑問を感じ、海賊部隊という自由な立場を使って真実を見るためにトワサンガ行きを決断する。

そしてそこで待つ残酷な現実。アイーダに恋心を抱いていたベルリは、彼女が姉であることを知り懊悩する。アイーダは恋人を殺した男が生き別れた弟と知り、どうやったら彼を許せるかと悩む。故郷に近づくにつれて脳が正常になっていくラライヤは、何とレジスタンス、旧王政派の人間だったとわかる。そしてG-セルフと呼んでいた機体に込められた真実。

劇場版に通底しているシリアスな雰囲気が続いており、映画そのものはかなりおもしろかった。この映画を突然見てもわけがわからないだろうが、劇場版の過去作の知識があればついていける作りになっている。シリーズを通じて描写が丁寧になり、明るい雰囲気は抑制されている印象だ。

会議が紛糾したアースノイドとスペースノイドは結局このあと決裂して戦争状態になるのだが、その様子はめがふぁいながビーナス・グロゥブに行ってしまうので描かれることはない。

ラライヤの酸素欠乏症が治っていく様子は、故郷に近づくにつれて改善しているのだとわかるように修正されていたはずだ。されてたよな? ラライヤはトワサンガから地球に落とされて、チュチュミィになっていたのだ。チュチュミィの水槽が汚れていくのは、地球の環境破壊の象徴である。

レジスタンスから託された彼女の役割は、宇宙世紀的なことを続けていると地球がまた汚染されるぞとの警告することだったのだが、それを告げないうちに酸素欠乏症になってしまった。それでも必死に伝えようと頑張った行為がチュチュミィに注目させることだった。

感想としては、やっぱり元のアイデアが面白いから、どうやってもつまらなくはならない。テレビシリーズは、努めて明るくしたことで感情の変遷が分かりにくくなっていたが、劇場版ではシリアスな雰囲気を通底させることで分かりにくさを一掃している。

これで良かったのだろうが、オレはテレビの明るい雰囲気は好きだよ。悲しさは心に秘めて、努めて明るく笑っていたのに、どいつもこいつもわからんわからん言いやがって。そもそもそういう奴は金払ってまで映画は見てないんだよ。だから、見ない人に合わせて修正しているのがもどかしいんだね。

☆5.0。人に勧めるなら劇場版になろうが、個人的にはテレビシリーズの唐突な展開が好きだなぁ。劇場版がシリアスすぎて、テレビ版のあの屈託のない明るさが懐かしく感じてきた。











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「劇場版 Gのレコンギスタ Ⅱ・ベルリ 撃進」(2019年作品)感想 [映画]

富野由悠季監督による劇場版「Gのレコンギスタ」第2作。出演:石井マーク、嶋村侑、寿美菜子。

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冒頭はアメリア軍の周回軌道飛行訓練を成功させるための陽動作戦にメガファウナが出撃する場面。この戦闘でベルリはデレンセン教官を殺してしまう。

カーヒル大尉に続いて叩くことの意味を最悪な形で引き受けさせられるベルリが不憫でならない場面だが、テレビ版よりもかなり描写が細かくなっていて状況がわかりやすくなっていた。アイーダとカーヒルの関係もシーンが追加してある。このシーンのアイーダの顔の作画がいい感じだ。

カリブに戻って補給を受けたあとは、クンタラであることを告白したマスクが部隊を引き連れてメガファウナを急襲。ラライヤが死にかける。アーマーザガンがやってきて戦局が変わり、グシオンとアイーダが再会。G-セルフはバックパックを変える。

そこにベルリの母がグライダーで登場。危うくG-アルケインのアイーダが殺しかける。このグシオンとウィルミットを一か所に集めて宇宙からの脅威の話に繋げるところなども好きな展開だ。グシオンとウィルミットを乗せたメガファウナは長官を無事にキャピタル・テリトリィに帰すために低空で領空侵犯。長官からの電話を受けたケルベスがやってきてメガファウナに協力する。

ここでケルベスがデレンセンのことをベルリに尋ねるシーンが追加されている。テレビ版では知っているのか知らないのか曖昧になっていたのに、さらにベルリを追い込んでしまう。

グシオンとウィルミット、法皇、クンパ大佐らがクラウンの最終便で宇宙へ。乗員とケルベスらはメガファウナに戻ってウーシアで出撃したキャピタルアーミーのベッカー大尉と交戦。キャピタル開発の高トルクパックでこれを撃退するも、メガファウナはすぐさま宇宙へ上がることになる。

そのころ、クンパ大佐はゴンドワンから調達したガランデンを発進させ、貨物室に潜り込ませていたマックナイフを出撃させた。マスクとバララはマックナイフでガランデンに合流。メガファウナを追撃する。一方アメリアのニッキーニ大統領もサラマンドラと補給艦ガビアルを出撃させ、宇宙を目指す。サラマンドラの司令はクリム・ニック。

大気圏突入グライダーでアメリアへ帰還したグシオンは、これらを追いかけてラトルパイソンで出撃。法皇を人質に取ってキャピタルタワーを占領する当初の作戦に自分も参加するつもりになる。

それぞれの思惑を胸に、多くの宇宙戦艦がタブーを破ってザンクト・ポルト目指して航行した。

<雑感>

映画館に行くつもりだったのだが、例の新型コロナウィルスは大丈夫なのかと嫁にグズられ(当日、石川県で初の感染者確認。50代男性、県職員)、結局アマゾンで購入。第2作「Gのレコンギスタ Ⅱ・ベルリ 撃進」も文句ない面白さだった。

アーマーザガンが来る前にG-アルケインが変形したように見えたのだが、あれは変形じゃなくて脚を畳んだだけなのか。一瞬だったのでよくわからなかった。

ここから勢力図がややこしくなるところなので、第3作目の編集は大変そうだ。整理すると、まずグシオンの発案でキャピタル・タワーを占領するという作戦があって、メガファウナは主に陽動を担当するために国際会議の命令に背いて別名義の海賊船として残しておいた。

しかし、アイーダはその作戦はすでに無効になったものと思っている。グシオンもキャピタル・アーミーの存在を知って迷っていたが、大統領のニッキーニが息子のクリムを使って作戦を決行するというので自分もラトルパイソンで追いかけた。

そうした状況をキャピタルの調査部を利用して情報収集していたクンパ大佐は、アメリアの敵対国ゴンドワンに宇宙艦隊の必要性を訴えガランデン(スペース・ガランデン)を製造させ、その設計図の見返りにガランデン1隻を調達。クルーこそゴンドワン兵士であるものの、実質的な運用はマスク部隊にやらせている。

キャピタル・アーミーを作りながら、アーミーに全戦力を預けずに勝手な振る舞いをするクンパ大佐を、キャピタル・アーミーのジュガン司令は疎ましく感じている。ジュガンの思い通りに操れていないことで、クンパ大佐の目的が不明であることを示している。

アメリアのクリム、グシオン双方の目的がキャピタル・タワーの制圧なので、それを守るという目的のあるキャピタル・アーミーとの間で戦闘となり、彼らは地球圏を離れない。しかし、キャピタル・タワーの占領という作戦はもう終わったと思っているアイーダは別の道を模索していたので、行きがかりもあってビーナス・グロゥブを目指すことになる。

このあたりを整理するのが第3作になる。ザンクト・ポルトでもトワサンガのシラノ5でも争いと意見対立が収まらず、アメリアのアイーダにとっては技術体系の総元締めであるビーナス・グロゥブを見ておく必要に迫られ、キャピタルのベルリにはスコード教の総元締めであるビーナス・グロゥブを見ておく必要があったのだ。

とか書いていると飯が食えなくなるからこの辺でやめておこう。とにかくGレコは面白い。

そうそう、「ヘルメスの薔薇の設計図」のことがこの第2作から取り上げられているが、冒頭のところでそれがラヴィアンローズと関係あると匂わせるシーンがあった。おそらくリギルドセンチュリーではラヴィアンローズのことは忘れ去られているだろうから、ああいう形で匂わすのは良い方法だと思ったな。

ラヴィアンローズは移動式の宇宙ドックで、宇宙世紀のあいだ新造され続け、ずっと宇宙で整備を担当してきた自力航行可能な宇宙港(スペースドッグ)。宇宙世紀は1500年から2000年間、外宇宙に進出してまで戦争を継続してきたので、膨大な量の設計図および整備マニュアルが保管されていた。そのデータを「ヘルメスの薔薇の設計図」とこの世紀では呼びならわしているのだ。

☆5.0。








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「劇場版 Gのレコンギスタ I・行け!コア・ファイター」(2019年作品)感想 [映画]

富野由悠季監督による劇場版「Gのレコンギスタ」5部作の第1作目を視聴。

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映画館へ行くつもりだったのだが、14:00と19:00しかなく嫁がグズるので配信でレンタル(1100円)して夕飯を食べながらの鑑賞となった。夕飯は自家製メジャーカレー。

まずテレビ版との違いは、全体的に説明が詳しくなされ、描写が緻密になったこと。地球とナットとの位置関係や人間関係、アイーダのカーヒルへの想いなどちょっと端折り気味だったテレビ版より詳しく、かつ分かりやすく変更されていた。

個人的にはクラウンがナットに入っていく場面の追加シーンに興味津々。ビクローバーを上空から見たシーンも追加だった気がする。追加カットは思っていたよりはるかに多い。

のちに重要になる設定に絡む話や、アメリアとゴンドワンがなぜ大陸戦争をやっているかなど、細かな説明も追加されていた。全体的に非常にわかりやすく変更されていて、それでいて説明シーンがくどくない。かなり上手い改変だったと思う。

そしてどうしても指摘しておきたいのが、富野の戦闘シーンはやはり面白いということ。いや、本当にすごい。90分の作品にしては戦闘シーンが多く、しかもアニメという2次元表現なのに破格の面白さであり、見栄えである。なぜ若手はこれを研究しないのだろうか。

大学に映画学科みたいなものも増えていて、専門学校でアニメを教えているところも多いのに、富野の戦闘シーンの面白さを分析した人っているのだろうか? なぜ同じことが他の監督にはできないのだろうか。それこそガンダムなんて腐るほど作られているのに。

テレビ放送されていたときから映画的な画面作りだなとは思っていたが、劇場版として繋げて視聴してみると似たようなシーンが連続することが全くないことに驚く。テレビの再編集版というのは似たカットがいくつかあるものなのに、ひとつもない。

映画としての完成度も想像よりはるかに高く、これなら確かにテレビ版よりクオリティは高くなっているといっていいだろう。2作目以降も期待できる出来栄えだ。ここまで説明してまだ「わからない」とぬかす人間がいたら、それはもうIQの問題だ。

イケる。この劇場版ならイケる。絶対に面白くなる。それに劇場版公開のたびにインタビューであれこれ話すからそれも面白い。これなら5部作で楽しい作品に仕上がるはずだ。

あえて「?」なところを挙げるなら、G-セルフが書き込まれすぎているところが多い。もっと線を減らしてテレビシリーズのような明るい色でも良かった。不気味さを出しているのだろうか?

文句なく☆5。トワサンガのレイハントン家の屋敷でいろいろ判明するところや、ラライヤが知恵熱で回復するところなどもこの調子なら改善されそうだ。アイーダがカーヒルを失った悲しみを乗り越えるところも、テレビ版より詳しく描かれそうだし、続編が楽しみになった。

なんかね、ちょっと安心した。ホッとした。






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「白い砂のアクアトープ」(2021年夏作品)第3話 感想 [アニメ/特撮]

監督:篠原俊哉、シリーズ構成:柿原優子、制作:P.A.WORKS。

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第3話「いのちは、海から」

ペンギンの体重測定をしていたところ、チョコと名付けた個体の足の裏に魚の目のようなものが出来ていた。本来は館長に相談すべきところだったが、海咲野くくるは産休中の獣医に相談した。すると彼女は水族館に脚を運んでくれた。適切な処置でペンギンに問題はなかったが、予定日を過ぎている獣医が破水してしまった。

慌てたくるるは公務員の友人に頼んで獣医を病院に連れて行った。出産は無事に終わり、獣医は付き添ってくれた宮沢風花に水族館で観た不思議な夢の話をした。

<雑感>

1話からちょこちょこ出てきた神様的な子供の役割がわかってきた。

海の神さまというと荒れ狂う波を象徴化して描く場合が多いが、海を母体の象徴、生命の源として描き、そこに取り残されている生まれるべき存在が神様になっている発想は面白いと思う。

いままでの働く女性シリーズは、アニメの萌え絵で個の確立を中途半端に描いてきたが、物語の中に女性の体内にある海を盛り込むことで、社会進出で疲弊するだけの女性像から脱却できる可能性が出てきた。

女性が母性と重なることを描くのはフェミニズムでは批判される。母性の否定がフェミニズムの根幹だからいい顔はされないのだが、あんなバカどものことなどどうでもいい。ちゃんと人としての女性を描き切って欲しいものだ。

働く女性シリーズは、女性を性欲の道具として描くことが当たり前になっているアニメ界では珍しい社会性のある作品群なのに、女性の社会進出の困難だけを描いてきた。それは単なる母性の喪失じゃないかと不満があったから、「白い砂のアクアトープ」第3話で描かれた、海は生命の源でありその海は女性の身体の中にあるとの視点は新境地に繋がる可能性がある。

第3話が予想外に良かったので、この作品は最後まで絶対に切らないと決めた。




















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本日のツイカス 2021/07/23日本逆転勝利! [日記]


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