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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:14(各話箇条書き④) [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム Gのレコンギスタ」のブログ内同人誌「暁のジット団」vol:14をお届けします。

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7話から9話は、アイーダとベルリ、その養父と養母が一堂に会する話でした。

アイーダの養父グシオン・スルガンは、急進的で無宗教的なアメリアという国家を表しています。ベルリの養母ウィルミット・ゼナムは、保守的で敬虔なキャピタル・テリトリィという国家を表しています。ふたりは、それぞれの国家が考えるふたつの正義を主張し合いました。

このふたりの大人は、いわば「現在」です。現在の地球の政治状況を表した存在です。それに対してアイーダとベルリは「未来」です。大人たちが「未来」のことを決めようとそれぞれ主張し合う中で、アイーダとベルリは「未来」を決定する子供たちとして、「真実の世界」を知るために旅立とうとしています。

富野由悠季監督がこのアニメを子供たちに見せたいと希望したのは、「未来」を決定するのは子供たちなのだから、子供たちが「真実の世界」を知り、知見を高め、考え、行動してほしいと願ったからです。決して子供におもちゃを売るために子供の視聴率をアテにしたわけではありません。

大人として当然の態度を取ったまでです。いつか大人になり社会を任され責任を負わされる子供たちに「いまのままでいいんだよ。ガンダムのおもちゃで遊んででいいんだよ。お金を使ってくれる限りいつまでも君の味方だよ」と甘い言葉を吐くのはただのウソつきです。

少しだけ大人の世界を理解できるようになった子供たちに、わずかに背伸びをさせて、いつか自分たちが担う責任をアイーダとベルリがどのように果たそうと努力するのか、何を考え何を想うのか、決断する難しさを教えようとしているのです。

リアルタイムでファーストガンダムを小学生のときに観た子供たちは、中学生になったその2年後には科学雑誌ニュートンの創刊に興奮していました。政治にも哲学にも興味を持って勉強できたのは、子供のころに観たファーストガンダムにその種が蒔かれていたからです。

富野監督はこの作品で同じことをやったのです。



第10話 テリトリィ脱出

クンパ大佐は詰め寄るグシオンに対し、「海賊船を使ってザンクト・ポルトへ上がり、法王を人質にしろ」と暗にそそのかす。

ケルベスが子供たちを外に連れ出す。彼女らとメガファウナがアーミーに狙われていたからだ。

ハッパはG-セルフの陸戦用高トルクパックを見て、ヘルメスの薔薇の設計図のG系の意味を理解する。

アーミーのベッカー大尉とメガファウナが交戦。G-セルフの活躍でアイーダが助けられる。

アメリア大統領ズッキーニ・ニッキーニが宇宙艦隊を勝手に発進させる。

クンパ大佐はマスクを呼び寄せ、キャピタル・タワーで合流する。スペースガランデンも発進する。



第11話 突入! 宇宙戦争

サラマンドラのクリムが先鋒でキャピタル・タワーへ向かっている。彼はカーヒル大佐が立案したタワー占拠の意味がなくなったことをまだ知らない。タワーからグライダーで降下したグシオンが砲撃を受ける。グシオンはザンクトポルトで法王を人質にもできると大統領に報告する。

タワーの最下部貨物コンテナからマスクらが搭乗したマックナイフが出撃してスペースガランデンに合流する。マスクは強化人間の副作用で躁状態になっている。

アイーダを守ろうとしてG-セルフの謎の発光現象が起きる。

ヘルメスの薔薇の設計図には頼っていないと強弁していたグシオンが、バトルパイソンが同設計図によって組み立てられたものだと認める。バトルパイソンはそのままザンクト・ポルトに上がった。

ベルリとノレドは、タワー最上部ナットであるザンクト・ポルトに戦艦で乗り付けたら最大のタブーであり祟ると警告するが、アメリアのアイーダやドニエル艦長は祟りという言葉に時代錯誤を感じる。



第12話 キャピタル・タワー占拠

クリムはタワーの占拠を諦めていない。遭難船を救助する義務があるというキャピタルの憲章を逆手に取った作戦で内部からザンクト・ポルトを占領するつもりでいた。

マスクはクリムのサラマンドラの撃沈を目指してミサイルを使うが、G-セルフの長距離ビームに阻まれる。ザンクト・ポルトを目前にした場所でモビルスーツ戦が始まってしまい、ベルリはタブーを犯していることに怯える。

ザンクト・ポルトに入港できないメガファウナは、その下の144番ナットに寄港した。ザンクト・ポルトのキャピタル・ガードはアメリア軍がザンクト・ポルトに入港したことを知らず、ケルベスが説得しても聞く耳を持たない。そこでアイーダは、G-セルフを鹵獲したと装ってG-アルケインでザンクトポルトに上がった。

クリムはアメリアが自力でザンクト・ポルトまで上がってきたことをもって、アメリアにはここを管理する資格があると強弁し、フォトン・バッテリーの技術の開示を求めた。

そこにビームが放たれ、月の方角から艦隊が押し寄せてきた。



様々な航宙艦と勢力が入り乱れて戦うこの場面は、こうして何度か視聴しているとよくわかるのだが、初見では何が起こってるのかわかりにくかったところです。ただザンクト・ポルトへの入港を巡るアイデアの数々は本当に素晴らしく称賛に値します。まともに入港しようとすれば戦闘になるとわかっているので、様々な勢力が工夫を凝らして入港している。

新しく気づいたことは、クンパ大佐が思わせぶりにカマをかけるように尋ねる物言いが、実はアイデアを他人に与えてやらせようと企んでいるということです。

第10話でクンパ大佐はグシオン総監に対して「海賊船を使ってザンクト・ポルトへ上がり、法王を人質にするつもりだったのでは?」と質問し、グシオンはそんなことは考えたこともないと返答します。ところがグシオンはそのすぐ後に大統領に同じようなことを話している。

ずっとこれはクンパ大佐がカマを掛けて、グシオンがそのアイデアを盗んだと解釈していたのですが、違いますね。クンパは自分がやって欲しいことを、相手がさも考えているかのように話して、アイデアを与えている。こうしてコントロールしてきたんですね。

のちにクンパ大佐はロルッカ・ビスケスに対しても「G-セルフに時限付きの核でも仕掛けて」と話すのですが、あれも「ロルッカさんは時限式の核でも仕掛けようと考えたのでしょう?」とカマをかけたふりをしながら実は「G-セルフに爆弾を仕込んでベルリを殺してくれ」と言いたかったのではないでしょうか?

あのときにはすでにベルリとアイーダがレコンギスタによるアースノイドとスペースノイドの衝突の妨げになると気がついていたのでしょうね。それで確実にふたりを殺せるように核兵器のことを持ち出したものの、さすがにロルッカはそこまではしなかった。

ただレイハントン家の再興はどうやら難しいようだとは悟るきっかけになった。そんなところのようです。その場面が来たらまた書きます。

こういう作品が本当の意味で「見るたびに新しい発見がある作品」なのでしょう。クンパ大佐の描き方ひとつにも工夫があって、何度か見ているうちにふと気づくことがある。

いまだに意味がわからないのが「G系統」のことですね。自分は∀ガンダムの機体で人類は絶滅寸前になったと解釈しているので、「∀ガンダム」の物語の前、あの機体が土に埋もれて眠りにつくまでの数年間が地獄だったと思っています。

初代ガンダムから∀ガンダムまでの期間に何があったのか、それらを考察しながらG系統の意味を探りたいのですが、こちらはまだ考えがまとまっていません。


この続きはvol:15で。次回もよろしく。




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