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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:19(各話箇条書き⑨) [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム Gのレコンギスタ」のブログ内同人誌「暁のジット団」vol:19をお届けします。

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地球へ戻ってきたメガファウナはさっそくレコンギスタの現場に巻き込まれていく。アメリアはドレッド軍と組み、キャピタル・テリトリィはジット団と組んだ矢先、嫉妬に狂ったバララ・ペオールがドレッド艦隊とアメリアの艦隊を殲滅してしまう。

またキャピタル・タワーの要塞化に伴い、スコード教の地位が著しく低下し、法王のことは誰も顧みることがなくなっていく。

22話から24話は、言ってみれば「理想の瓦解」といった言葉で説明できるかもしれません。

スコード教の理想がないがしろにされ、タワーの要塞化でヘルメス財団の理想が壊されてしまいます。ドレッド将軍の死によって全トワサンガ住民の地球への帰還がどうなるかわからなくなり、地球の各国歌も、もはや何をしたらいいのかわからず、とにかく目の前の勝利にこだわるしかなくなった。

誰もどこを目指して何をすればよいのかわからなくなったのです。理想が残っているのは、クンパ大佐とマスク、クリムだけになりました。かと言って停戦はまだ遠いのです。

「ガンダム Gのレコンギスタ」は様々な立場の大人たちの理想が死に絶え、子供たちが残されたところで終わります。子供たちは新しい理想を探して、新しい時代に秩序をもたらさなければなりません。そうした大きな役割を、引き継ぐのではなく、模索して作り出す責務を負わされたのです。



第25話 死線を越えて

ドレッド将軍を失ったクノッソスのマッシュナー・ヒュームは、フルムーンシップを強奪することで大逆転を試みるが、マスクに撃沈させられる。

キア・ムベッキは、ピアニ・カルータを肯定し、戦争が文化を進歩させると考えていた。

クンパ大佐とウィルミット長官はグライダーでギアナ高地へ降りる。

低軌道でモビルスーツ戦になる。艦隊はそれに加わらず、大気圏突入に専念する。重力に引かれるギリギリまで戦い、ベルリ、クリムとミック、マスクとマニィ以外は戦艦へと戻る。艦隊、モビルスーツともども大気圏突入に成功する。



第26話 大地に立つ

ベルリ、クリムとミック、マスクとマニィにジット団のクン・スーン、チッカラ・デュアルが加わってモビルスーツ戦となる。北からはアメリアの艦隊がキャピタル・テリトリィへの侵攻作戦のために集結しつつあった。ズッキーニ大統領の独断によるものだった。

ベルリはキャピタルとアメリアの艦隊戦を止めに入る。それにマスクが突撃する。アメリアの艦隊はジット団、キャピタル・アーミー、メガファウナに攻撃を受ける。

チッカラがクリムに殺され、遺恨ができる。クンパ大佐、ジュガン司令が死亡。G-セルフは半壊し、ベルリはコアファイターで脱出する。

アイーダが自分の名前で停戦を命令する。被害者の救助を優先するように通達する。

クレッセントシップが世界巡行へ旅立つ。その中にはアイーダ、ベルリ、ラライヤ、ノレドがいる。メガファウナのクルーも一部乗っている。クン・スーンは、キア・ムベッキの子供を孕んでいる。

ルインとマニィはふたりで旅をしている。クリムは父親を殺したのちに、ミックとともにグライダーで旅に出る。アイーダは姫としての自覚に芽生える。

ベルリは日本でクレッセントシップを降り、世界一周の旅に出た。



視聴するたびに新しい発見のある「ガンダム Gのレコンギスタ」の各話箇条書きは以上で終わりです。詳しいまとめはWikipediaのストーリーが力作なのでご確認ください。

全話確認したことで大体の因果関係なども整理できましたので、vol:20以降は全話終了時点のそれぞれのキャラクターの位置付けなどを確認していくことにします。

物語の背景に何があるのか探るところから始め、細部を見てきたあとは、キャラクターたちの未来と、この物語が指向しているスペースノイドの地球帰還が果たせるかどうか考えていきます。最終的には全26話の脚本形式にまとめることが目標です。

Gレコは宇宙世紀時代の失敗を繰り返さずに、ガンダムという物語を終わらせることを目標にしています。アニメの新作はGレコの前にいくらでも時間があるのでそこでやればよく、リギルド・センチュリーを宇宙世紀のようにしてはダメです。

当ファンジンでは、vol:1からvol:19までに書いてきた考察をすべて含んだGレコ2期の脚本の完成をもって終わるつもりなので、要するにまだまだ続きます。


この続きはvol:20で。次回もよろしく。



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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:18(各話箇条書き⑧) [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム Gのレコンギスタ」のブログ内同人誌「暁のジット団」vol:18をお届けします。

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無事にビーナス・グロゥブにやって来たメガファウナの一行は、総裁のラ・グーの歓待を受けました。前回も書いた通り、自分は金星に到着したくだりが気に入っておりません。ここでの描写が疎かだったために、ヘルメス財団がビーナス・グロゥブを作り上げたことの意味を深く伝えられなかった。

宇宙世紀の戦争が終結の気配をみせず、人類が絶滅寸前になるまで資源を使い果たした責任の多くは、ヘルメス財団の母体になった組織にあったはずです。自分はこれをアナハイム社のラビアンローズが起源だと考えました。アナハイム社は独立採算だったため、自航式ドッグだったラビアンローズにはその資金が豊富にあったはずです。

戦争が人類の滅亡という形でしか終結しなかったとき、軍産複合体はどう考えるでしょうか? そこに反省がなかったとは思えないのです。

彼らは戦うための知識を封印し、人類が生きていくための技術のみを継承して、再び戦争が起こらないように願ったに違いありません。その贖罪の意識が、ひとつは地球環境が再生するまで帰還を待つことと、ふたつに帰還の準備を整えることをもって、自らを律したはずです。

ただそれはスコード教の起源ではありません。軍産複合体などというものは、戦争が続く限り武器を売り続けます。買う相手がいなくなり、我に返るのは1番最後です。それよりはるか前に、市井の間で厭戦気分が起き、何かの奇跡にすがる精神的行為があったはずです。

自分はこれを「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のラストシーンに求めました。ニュータイプによる相互理解がアクシズの地球落下を阻止した奇跡をもって、人間と人間がわかり合い争いが起こらなくなると信じる宗教が生まれたと考察したのです。これはヘルメス財団とは関係なく発生しています。

ヘルメス財団の考えは、いわばシャアがずっと唱えてきたことです。スコード教の教義はもちろんアムロが起こした奇跡が元になっています。

つまりこの物語こそ、歴史の最後に語られるべきガンダムなのです。



第22話 地球圏再会

ジット団は完成したフルムーンシップで地球圏へ旅立っていった。

アイーダはラ・グー総裁からピアニ・カルータ事件がレコンギスタのきっかけになったこと、ムタチオンがスペースノイドに絶望を与えていることを伝え聞く。

メガファウナはクレッセントシップに便乗して地球圏へ戻ってきた。G-セルフが月光蝶に似たフォトン・トルフィードを使う。

ウィルミット長官やクンパ大佐たちは大人の都合で動くことしか考えていない。



第23話 ニュータイプの音

アイーダたちは、メガファウナのアメリア軍への編入を拒む。育児園にいたアイーダの履歴を知るグシオン・スルガンは、彼女に弟がいるとは考えていない。

キャピタル、アメリア、ドレッドの3つ巴の戦いがある。ベルリはロックパイを死亡させた際に、ニュータイプのような感じ方をする。

マスクがフルムーンシップと合流する。




第24話 宇宙のカレイドスコープ

マスクがフルムーンシップの協力を取り付ける。フラミニア・カッレは、ビーナス・グロゥブとクンタラは似たようなものだと発言する。ルインは、ベルリと友達になってくれとのマニィの願いを断る。

アメリアとドレッド軍が停戦協定を画策する。共通の敵であるキャピタル・テリトリィを倒したのちは、ドレッド軍のキャピタル・テリトリィへの移住を認めるというのが条件。

バララ・ペオールの嫉妬がドレッドとグシオンを殺してしまう。



22話から24話は金星を離れたメガファウナが地球圏へ戻ってくるところから、地球圏では戦争が続いている様子、トワサンガのレコンギスタはキャピタル・テリトリィの抵抗によって上手くいっておらず、アメリアとの停戦協定を模索していたなどの話になっています。

バララ・ペオールの生死は不明。しかし、グシオンとドレッドを殺した罪は大きく、生き残っていたとしても表立って活動ができない状況に陥っているでしょう。Gレコの後日談、つまり続編を考える際には彼女のことは外せない要素になります。

G-セルフはパーフェクトパックによって大活躍をしますが、この設定はむしろいらない。特殊な機体であるG-セルフだけにバックパックが大量に用意されること自体が不自然で、完全におもちゃのためのギミックになっている。モビルスーツの大型化も無意味でした。

注目すべきなのは、キャピタル・アーミーがアメリアとトワサンガを食い止めていた点と、フルムーンシップとすぐさま提携した点です。クンパ大佐がいることで的確な指示が出せているのはもちろんありますが、マスクがカシーバ・ミコシを占領する、キャピタル・タワーを防衛ラインにするなど急ごしらえで軍隊を作ったとは思えないほどの活躍ぶりです。

マスクことルイン・リーは、クンパ大佐の死後はその後釜が狙えるほどの冴えを見せている。これも続編を考える際に考慮すべき点でしょう。

以前考察したように、ベルリはレイハントンの意思を継いで再入植のために適した土地を探す旅をしており、ルインはクンタラの国を作るために土地を探している。再入植可能で誰も住んでいない土地は限られているので、ベルリとルインはここでも戦う運命になっています。

フラミニアがビーナス・グロゥブの人間をクンタラに例えた意味は、自身のムタチオンのこともあるでしょうが、ヘルメス財団がスペースノイドの生き残りに強いてきた辛抱というものがかなりつらいレベルに高まっていたという意味でしょう。スペースノイドにとっては限界なのです。

だから金星での描写が戦いばかりになってしまったことが残念なんです。あそこでもっと多くのことを伝えなければいけなかった。

アースノイドの描写もこれで良かったのかは難しいところです。将来アイーダが政治を担うとして、地球の土地が圧倒的に足らなかった場合、アースノイドを強制的に宇宙に上げて、宇宙での蓄電事業を請け負わせるということも考えなければいけませんが、ただの戦争好きになってしまっている。

物語は終盤に差し掛かり、派手な戦闘シーンが続いていますが、もっと裏にある政治などの問題に関心を向けつつ残り2話を鑑賞することにしましょう。

戦闘シーンは確かに面白いですが、おもちゃ屋の都合に合わせた部分が多く、G-セルフの異様さを表現できていたのか甚だ疑問です。バックパックは正直いらなかったかな。フォトン・トルフィードがとんでもない代物だったことも、内蔵されていなかったことで意味合いが薄れました。

次回で各話箇条書きは終わりにし、そのあとは生き残った人物の整理と、その後の物語の創造につなげていきたいと思っております。


この続きはvol:19で。次回もよろしく。



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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:17(各話箇条書き⑦) [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム Gのレコンギスタ」のブログ内同人誌「暁のジット団」vol:17をお届けします。

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16話から18話は、ベルリとアイーダが姉弟であることが判明し、トワサンガの事情をいくつか知ったアイーダとメガファウナがクレッセントシップと接触して、共に金星へと旅立つところまででした。

G-メタルがクレッセントシップの起動に使われ、またそれがなければ性能を最大限に発揮できない機能であることなど、トワサンガのレイハントン家がヘルメス財団と密接な関係にあり、彼らは決してスペースノイドの地球への旗艦を邪魔していたわけではなく、準備をしていたことが汲み取れます。

ヘルメス財団がどんな組織で何をやろうとしていたのか考察していくことによって、「ガンダム Gのレコンギスタ」の背景にあるものが理解できるはずです。そもそもキャピタル・タワー自体が、ヘルメス財団が用意した地球への再入植のための道具のはずです。

ではなぜ一気に再入植させなかったのか。それはGレコでは詳しく描かれていません。しかし、森林資源を除いてエネルギーが枯渇してしまっている以上、スペースノイドが再入植できる地域は限られていたはずです。まずは地球の再生を見極めなくてはいけなかった。

その役目を果たしていたのがキャピタル・ガードの調査部で、それをクンパ大佐が乗っ取ったのではないかとはすでにvol:3で書きました。



第19話 ビーナス・グロゥブの一団

フラミニア・カッレがビーナス・グロゥブの人間だと判明する。多くの人は彼女がヘルメス財団の人間だとまだ思っている。

ハッパがレイハントン・コードを元の制限コードに戻したと発言する。ハッパの理解では、G-セルフはベルリたちを守るためのシステム。ビーナス・グロゥブ側の説明ではG-セルフのエネルギーがクレッセントシップを刺激して能力が10%以上上がったとされている。

ビーナス・グロゥブは人類の永遠存続を目標にして、莫大なエネルギーを貯蔵しようとしている。それに対してベルリはアースノイドにはアグテックのタブーを押しつけておいて不公平だと不満を口にする。アイーダは自分の感覚が教育によるものだと指摘され、理解する。

ジット団がクレッセントシップを奪いに来る。ジット団はトワサンガのハザム政権からメガファウナの処分を頼まれていた。G-セルフは彼らが奪っていった。



第20話 フレームのある宇宙

ジット・ラボの人間は自分たちのやり方がリギルド・センチュリーの正義だと信じている。ジット団はメガファウナの人間をクンタラにしようとしている。

メガファウナはオーシャンリングのジット・ラボに突撃する。ベルリはその前に彼らからG-セルフを奪い返した。

ビームを使った戦闘になり、キア・ムベッキがオーシャンリングに穴を空けてしまう。



第21話 海の重さ

キア・ムベッキが開けた穴を自分で塞いで死ぬ。

メガファウナ一行が、ラ・グー総裁の招待を受ける。



自分はこの19話から21話が嫌いで、Gレコの中で一番不出来だったと思っています。

ビーナス・グロゥブのオーシャンリングにやって来たのに、特別な描写はなく、ひたすら戦闘ばかり。印象に残らないモビルスーツがたくさん出てくるし、金星までやって来たことを印象付けることに失敗したのではないでしょうか。

ビーナス・グロゥブの中にもジット団というレコンギスタ派がいるというのはわかりますし、自警団がいるのもわかる。彼らがフルムーンシップを作りながらクレッセントシップまで欲しがっているのはなぜなのか、ラ・グーと決別しようとしているのかしていないのか。

これではなにも伝わらない。何度観ても酷い出来です。

第19話のいかにも説明的な部分もそうで、こうやって説明することで視聴者はこれが公式だと受け取ってしまいます。

G-セルフの機体はレイハントンが子供たちを守るために特殊機能をつけたという話になって、G-セルフは子供たち専用の機体となると、ラライヤが操縦できた意味が余計にわからなくなる。ドレッド軍の中の別動隊であるラライヤだけなぜ機能解除出来たのかわからなくなってしまう。

ラライヤが地球に偵察に出るときにはとっくにレイハントンは死んでいるのに、なぜ子供たちを守る機能というものがあって、ラライヤをパイロット登録したときには機能が解除されたのかさっぱりわからない。適当な説明ならしない方がマシなんですね。

そういうわけなので、19話から21話についてはほとんど公式を無視して解釈しています。というより、この部分を見て、公式はこの作品に関してやる気も能力もないのだと判断しました。

G-セルフのエネルギーが船のエネルギーの流れをよくして航宙艦の出力を上げるなんて馬鹿らしくて聴いていられない。公式と決別した瞬間でしたね。サンライズといっても現在の主力は所詮ゆとり世代。大したアイデアなんか出るわけないんですよ。

世の中には絶対的な答えがないと何もできない、自分の頭で判断できない人々というのがいて、そうした人は公式を絶対視してしまいがちです。

しかし公式といっても考えているのはガンダム世代でもないゆとり社員。頭は悪いし、そもそもガンダムなんて好きじゃない。

この物語の骨子を知れば、「∀ガンダム」のあとの話だとすぐに分かるのに、劇中に出てきた記録に振り回されて何ひとつアイデアを出して解決できない。その程度なんですよ。

そういうわけですから、Gレコの物語は公式を無視していいんですよ。富野監督は孫の代が続編を作ってくれればいいとインタビューで答えているそうですが、孫の代はゆとり世代でバカすぎて何も作れやしません。Gレコの続編など誰も作ったりしないわけです。

ファンが勝手に考えて、より良い説明を導き出して、物語に深みを与えていけばよいのです。当ファンジンは、各話箇条書きのあとで、ビーナス・グロゥブの歴史など考察して、続編があるとしたらどういう話になるのか考えていくことにします。


この続きはvol:18で。次回もよろしく。



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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:16(各話箇条書き⑥) [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム Gのレコンギスタ」のブログ内同人誌「暁のジット団」vol:16をお届けします。

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13話から15話では重要な情報が多く開示されました。トワサンガのドレッド軍が出てきて勢力が増えすぎたせいか、わかりにくさもこの部分で増えたように思えます。

vol:9でまとめたように、少年と少女の冒険譚としての流れが頭に入っていないと混乱してしまうので、是非とも参照にしていただきたいものです。

「ガンダム Gのレコンギスタ」の魅力はわかりやすさではありません。人間描写の深さや人間同士の対立の根深さなど、わかりにくいことを読み解いていくのが面白いわけです。

この物語は、安定していたリギルドセンチュリーに大きな波がやって来た歴史の一場面に過ぎません。またわかりやすい独裁者が侵略戦争を仕掛けてきたわけでもありません。戦いの種がばら撒かれ、それを回避させる可能性を秘めた少年と少女が世界を知る話なのです。

当ファンジンは物語が始まる前の部分から語り始め、物語の先にある物語の想像まで続けることで、より深くこの作品を楽しむことを目的としています。



第16話  ベルリの戦争

トワサンガのシラノ-5には地球では珍しくなったオリーブやブドウの巨木がたくさんある。アイーダとベルリがレイハントン家の屋敷に案内され、姫と王子と呼ばれる。レイハントン家の家臣はドレッド家のレコンギスタ作戦に反対。アイーダは子供部屋を記憶していた。

ルインはドレッド軍の簒奪を目論んでおり、一時的に仲間になって油断させようとしている。ドレッド軍はサラマンドラとガランデンを同時に奪うつもりでいる。クリムもまたドレッド軍を手中にしようと目論んでいる。クリムの狙いは自分がアメリアの大統領になること。

ベルリのG-セルフとガヴァン隊が衝突する。ベルリは憧れのアイーダが実の姉だと知って混乱状態になっていた。



第17話 アイーダの決断

シラノ-5の一部が壊れて土砂が流出してしまった。メガファウナは流出した土砂を回収する手伝いと称して港を出港した。G-セルフはガヴァン隊に性能を見せてしまったせいで、トワサンガ、アメリア、キャピタル・テリトリィの3者が奪い合うことになった。

だがカシーバ・ミコシが来ていたために戦闘は拡大せず、全員でゴミ拾いを始めることになった。

クンパ大佐はG-セルフを餌にMSビフロンの借り受けに成功する。彼はドレッド軍を狙うマスクの心を読んで、トワサンガそのものを手中にすることもできるとマスクに伝える。ドレッド軍の中では昔話になっているだけあって、彼らはクンパ大佐の正体にまったく気づかない。

パイロットたちがそれぞれの戦いに赴くなかで、アイーダは自分の戦いはなんだろうかと考える。ノレドは歴史政治学を勧められる。

クンパ大佐がランチでメガファウナに接触して内部に潜入する。彼はロルッカと邂逅し、ロルッカが健在ならばG-セルフに核の自爆装置でも仕込んだか、自分は争いの種をもみ消すために地球に降りた、自分はロルッカほど悪辣ではない、専門家の考え方はいつも一直線で、とロルッカをなじるような科白を吐く。ロルッカは彼こそヘルメスの薔薇の設計図を流出させた犯人だと思っている。



第18話  三日月に乗れ

クンパ大佐はG-セルフをドレッド将軍との交渉に利用しようとしている。G-セルフとメガファウナはいずれの勢力にも属さないので、いずれからも狙われやすい立場にある。カシーバ・ミコシの近くにいて身を守っているが、クレッセントシップの近くに移動したがっている。

G-セルフとクレッセントシップの関係をロルッカは知っている。

マスクとクリムが同じことを考え、G-セルフ奪取のためにメガファウナへ近づく。トワサンガのマッシュナーらはカシーバ・ミコシの近くでの戦闘は避けたい。各陣営が乱れ合って混戦となるなか、メガファウナはクレッセントシップに取りつき、戦闘は終了した。

G-セルフのベルリは、クレッセントシップのメインエンジンルームに潜入してエンジンを起動させた。




第18話までは以上です。

第17話でクンパ大佐がロルッカと接触した際の会話はまさに蒔かれた種で、どう解釈するのかは視聴者に委ねられている部分です。当ファンジンではvol:14で考察したように、最初の核兵器云々の部分はベルリとアイーダが本格的に邪魔になってきたのであなたの立場ならできるでしょうとそそのかしたのだと解釈しています。つまりG-セルフには核兵器は積んでいないわけです。

この部分はお互いに腹の探り合いをしているわけですが、ピアニ・カルータとしての悪行の数々がのちにバレたクンパ大佐と違い、ロルッカは人物像が不明のままだったので、わずかな手掛かりから想像力を働かせて読み解くしかありません。何かの専門家らしいと匂わされています。

レイハントン家の家臣がレコンギスタに反対しており、レジスタンスとしてテロを画策する可能性もあるので、そのことかもしれません。ロルッカに対してヘルメスの薔薇の設計図のことは棚に上げさせ、レコンギスタに反対する彼らを牽制したと考えるのが妥当かなと推測します。

その部分と関連してG-メタルでクレッセントシップのエンジンが起動した部分を考察すると、当ファンジン(vol:3)で繰り返し指摘してきた、レイハントン家は再征服(レコンギスタ)には反対していたが、再入植の準備は進めてきたとの意味がわかると思います。

地球の受け入れ準備が整い、スペースノイドの地球への再入植が行われる際には、クレッセントシップの能力を最大限に使って人を運搬しなくてはいけない。16話の冒頭を観れば、運ぶのは人だけでなく植物や動物も含まれるかもしれないわけです。

それまではクレッセントシップの能力を制御して、レコンギスタに使えないように機能を制限していたと解釈できるわけです。その能力をレイハントンは子供たちとG-セルフに託した。ところがその機能はすべてロルッカとビスケスには伝えられていない。ここを踏まえるとG-セルフは設計図だけが残っていたと考えられる。設計図だけだったので、ドレッド家からも隠すことが出来た。

以上のことから、レイハントン家は再征服(レコンギスタ)を阻止しつつ、再入植を準備していたと考えられるのです。そこにはスコード教の教えが存在する。ではスコード教とは何か。ここを考えなくてはGレコの解釈は進んでいかないわけです。

レイハントン家の殺された当主は、子供たちにスペースノイドの再入植の準備を進めさせようとしていたはずです。また、これは偶然でしょうが、ベルリが再征服(レコンギスタ)を食い止め、アイーダが再入植の準備を開始する立場になったこと、つまり武をベルリが、政治をアイーダが受け持つ運命になったところもすでに考察した部分です。

こうした諸々のことから、自分はファーストガンダムとGレコが密接な関係にあると考えたわけです。


この続きはvol:17で。次回もよろしく。



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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:15(各話箇条書き⑤) [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム Gのレコンギスタ」のブログ内同人誌「暁のジット団」vol:15をお届けします。

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現在再視聴しながら記事を書いているのですが、vol:14ではクンパ大佐の情報の出し方の解明が出来たことで、またひとつGレコの不可解な部分が解明されたように思えます。

クンパ大佐が時折相手にカマを掛けるようなことを喋るのですが、そうやって相手に「こういうやり方もありますよ」と情報を出していたのでした。彼をビーナス・グロゥブの高級官僚だと考察したのはあながち突拍子もない推測でもないようです。

こうした深みのあるキャラクターが登場するのもこの作品の良い点です。初見でわからなかったことが何度か観ていくうちにわかるようになる。子供時代にわからなかったことが大人になってわかるようになる。人物造形ひとつで考え悩ませてくれる作品は昨今さほど多くはありません。

人間を描くことの面白さに溢れた作品です。またそれがアニメで表現されているところが特異な点で、実力ひとつでアニメの可能性を切り拓いてきた富野監督の凄い点でもあります。

そして物語はついに地球の1番外側のザンクト・ポルトに舞台を移しました。ザンクト・ポルトの住人までがアースノイド。その向こうにいるのが、スペースノイドになります。



第13話 月から来た者

トワサンガからやって来たドレッド艦隊を見て慌てるグシオン。すぐに迎撃準備に取り掛かるが、アメリアの暴走によって不測の事態が起きてタワーを破壊されることを怖れるクンパ大佐は、積極的にヘルメス財団のことを説明してグシオンを止めようとしている。

ドレッド軍がモビルスーツを出し、さらに地球人同士の共同戦線が模索される中で、クンパ大佐は若いベルリとアイーダに状況を委ねる。

クリムとマスクの間で出来た合意にアイーダも乗って、かりそめの共同戦線が構築される。ドレッド艦隊から交渉団のランチが出発したのを無視して、クリムはドレッド艦隊の旗艦を破壊して勝利する作戦を提案する。ドレッドは非公式の使者の白旗を信用せず、撃墜命令を出した。

ドレッド将軍がザンクト・ポルトに到着する。クンパ大佐は急いで身を隠す。ドレッドはアメリアの宇宙艦隊設立にピアニ・カルータ(クンパ大佐)が関わっている旨を伝え、レイハントン家の生き残りと合わせ、その人物の洗い出しを暗に求める。

アイーダは政治問題を大人たちだけに任せようとはせず、自分の目で確かめるためにトワサンガへ旅立つ準備をするようメガファウナに伝えさせた。



第14話 宇宙、モビルスーツ戦

ラライヤの記憶が戻る。彼女は自分を別動隊だと発言する。ドレッド軍はヘルメス財団はフォトンバッテリーの運搬しかやらない怠け者だと罵る。

マスクはドレッド艦隊を手に入れて、クンタラが独自の武力を持てるように画策する。彼はドレッドの艦にメッセージチューブを撃ち込んで返答を待つことにした。その中身は、降伏すれば地球への居住を認めるという内容だった。

クリムは自分が立てた作戦に固執しており、クリムとマスクは共同でドレッド軍を攻め立て、この動きを読んだマッシュナーがロックパイを使って迎撃させる。クリムもまたマスクと同じように地球での居住権と引き換えにドレッド艦隊に降伏を勧告した。

144番ナットで待機していたメガファウナがザンクト・ポルトに上がり、そのままトワサンガへ向かった。



第15話 飛べ! トワサンガへ

ラライヤの記憶が戻り、G-セルフで地球へ降りた理由が語られる。YG-111と呼ばれた機体は軍で不採用になったもので、偵察用に回され、地球に降りたらドレッド軍の到着を待つように指示されていた。その間にレイハントン家の生き残りを探すよう命令はあったが、見つかればいい程度の話で、ドレッド軍の中ではとうに昔話になっていた。

ドレッド家はフォトンバッテリーの技術を開示するように要求し、レイハントン家は反対していた。この対立によってトワサンガは分裂していた。

クリムはトワサンガと連携してゴンドワンとの戦いを有利に導こうとしていた。

サラマンドラとメガファウナがともに月の裏側シラノ-5に到着し、寂れたゲートに入港する。クリムらはモビルスーツで中に入り、ガヴァン隊に捕縛される。ラライヤはフラミニア・カッレと再会した。




13話から15話はかなり重要な情報が開示されました。

13話ではドレッド将軍からレイハントン家のことやピアニ・カルータのことが話題に出されます。ピアニの名前は出ていませんが、ヘルメスの薔薇の設計図を撒いている人間がいること、それらは密航者だから探し出して引き渡せとの要求です。

当ファンジンで考察してきたように、ドレッド家はレイハントン家と対立したことによってヘルメス財団から情報が入らなくなり、焦っている様子がわかります。またレイハントン家が再興されてしまうことも恐れているわけです。

トワサンガの人間がレコンギスタする際の最大の敵は、地球の重力と大気です。また地球に降り立ったのちにそこで自活するには土地とエネルギーがいります。それらの問題を解決することと、ヘルメスの薔薇の設計図の散逸を食い止めて、地球人の防衛力をこれ以上高めないなどの思惑があるようです。

ドレッド家は、フォトンバッテリーの情報がない限りヘルメス財団には逆らえない。ピアニとレイハントン家の子供を探しているのは、財団との関係修復と彼らを押さえることで交渉を有利に進めるなどの考えもあるでしょう。

ドレッド家の置かれた状況などは当ファンジンの過去の号をお読みください。

第14話で重要なのは、マスクとクリムの言動です。マスクはトワサンガの軍事力を手に入れようとしていますが、それはトワサンガのレコンギスタ派をクンタラが地球に導くことでクンタラを身分から解放させる思惑があります。クンタラとトワサンガの人間で国家を作れば、その中には身分格差は存在しなくなるのです。地球にとっては裏切り行為でもあります。

一方でクリムはトワサンガと連携することでゴンドワンとの戦争に勝とうとしています。アメリの覇権主義は、ゴンドワンを傘下に収めることで大きく進捗するはずです。彼は覇権をもって地球を統一し、ヘルメス財団に対抗する意思を持っています。

またヘルメス財団と険悪な関係になっているドレッド家は、フォトンバッテリーの情報開示を求める点では一致していますが、アメリアの覇権主義とは主導権争いでぶつかる運命にあります。

ファンジンで何度も指摘したように、クンパ大佐の裏の動きと、クリムとマスクの目的などを把握していないとわかりづらいですが、読み解いていくことで解読を成したときの快感が大きいのもこの部分だといえるでしょう。初見で感じなくてはならないのは、違和感ではないでしょうか。

なぜクンパは逃げたのか、クリムとマスクはなぜドレッド艦隊を欲しがっているのかなど。最初からすべての答えを示せと要求するのは、自分は何も考えたくないと宣言しているようなもので、恥ずかしいことです。


この続きはvol:16で。次回もよろしく。




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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:14(各話箇条書き④) [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム Gのレコンギスタ」のブログ内同人誌「暁のジット団」vol:14をお届けします。

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7話から9話は、アイーダとベルリ、その養父と養母が一堂に会する話でした。

アイーダの養父グシオン・スルガンは、急進的で無宗教的なアメリアという国家を表しています。ベルリの養母ウィルミット・ゼナムは、保守的で敬虔なキャピタル・テリトリィという国家を表しています。ふたりは、それぞれの国家が考えるふたつの正義を主張し合いました。

このふたりの大人は、いわば「現在」です。現在の地球の政治状況を表した存在です。それに対してアイーダとベルリは「未来」です。大人たちが「未来」のことを決めようとそれぞれ主張し合う中で、アイーダとベルリは「未来」を決定する子供たちとして、「真実の世界」を知るために旅立とうとしています。

富野由悠季監督がこのアニメを子供たちに見せたいと希望したのは、「未来」を決定するのは子供たちなのだから、子供たちが「真実の世界」を知り、知見を高め、考え、行動してほしいと願ったからです。決して子供におもちゃを売るために子供の視聴率をアテにしたわけではありません。

大人として当然の態度を取ったまでです。いつか大人になり社会を任され責任を負わされる子供たちに「いまのままでいいんだよ。ガンダムのおもちゃで遊んででいいんだよ。お金を使ってくれる限りいつまでも君の味方だよ」と甘い言葉を吐くのはただのウソつきです。

少しだけ大人の世界を理解できるようになった子供たちに、わずかに背伸びをさせて、いつか自分たちが担う責任をアイーダとベルリがどのように果たそうと努力するのか、何を考え何を想うのか、決断する難しさを教えようとしているのです。

リアルタイムでファーストガンダムを小学生のときに観た子供たちは、中学生になったその2年後には科学雑誌ニュートンの創刊に興奮していました。政治にも哲学にも興味を持って勉強できたのは、子供のころに観たファーストガンダムにその種が蒔かれていたからです。

富野監督はこの作品で同じことをやったのです。



第10話 テリトリィ脱出

クンパ大佐は詰め寄るグシオンに対し、「海賊船を使ってザンクト・ポルトへ上がり、法王を人質にしろ」と暗にそそのかす。

ケルベスが子供たちを外に連れ出す。彼女らとメガファウナがアーミーに狙われていたからだ。

ハッパはG-セルフの陸戦用高トルクパックを見て、ヘルメスの薔薇の設計図のG系の意味を理解する。

アーミーのベッカー大尉とメガファウナが交戦。G-セルフの活躍でアイーダが助けられる。

アメリア大統領ズッキーニ・ニッキーニが宇宙艦隊を勝手に発進させる。

クンパ大佐はマスクを呼び寄せ、キャピタル・タワーで合流する。スペースガランデンも発進する。



第11話 突入! 宇宙戦争

サラマンドラのクリムが先鋒でキャピタル・タワーへ向かっている。彼はカーヒル大佐が立案したタワー占拠の意味がなくなったことをまだ知らない。タワーからグライダーで降下したグシオンが砲撃を受ける。グシオンはザンクトポルトで法王を人質にもできると大統領に報告する。

タワーの最下部貨物コンテナからマスクらが搭乗したマックナイフが出撃してスペースガランデンに合流する。マスクは強化人間の副作用で躁状態になっている。

アイーダを守ろうとしてG-セルフの謎の発光現象が起きる。

ヘルメスの薔薇の設計図には頼っていないと強弁していたグシオンが、バトルパイソンが同設計図によって組み立てられたものだと認める。バトルパイソンはそのままザンクト・ポルトに上がった。

ベルリとノレドは、タワー最上部ナットであるザンクト・ポルトに戦艦で乗り付けたら最大のタブーであり祟ると警告するが、アメリアのアイーダやドニエル艦長は祟りという言葉に時代錯誤を感じる。



第12話 キャピタル・タワー占拠

クリムはタワーの占拠を諦めていない。遭難船を救助する義務があるというキャピタルの憲章を逆手に取った作戦で内部からザンクト・ポルトを占領するつもりでいた。

マスクはクリムのサラマンドラの撃沈を目指してミサイルを使うが、G-セルフの長距離ビームに阻まれる。ザンクト・ポルトを目前にした場所でモビルスーツ戦が始まってしまい、ベルリはタブーを犯していることに怯える。

ザンクト・ポルトに入港できないメガファウナは、その下の144番ナットに寄港した。ザンクト・ポルトのキャピタル・ガードはアメリア軍がザンクト・ポルトに入港したことを知らず、ケルベスが説得しても聞く耳を持たない。そこでアイーダは、G-セルフを鹵獲したと装ってG-アルケインでザンクトポルトに上がった。

クリムはアメリアが自力でザンクト・ポルトまで上がってきたことをもって、アメリアにはここを管理する資格があると強弁し、フォトン・バッテリーの技術の開示を求めた。

そこにビームが放たれ、月の方角から艦隊が押し寄せてきた。



様々な航宙艦と勢力が入り乱れて戦うこの場面は、こうして何度か視聴しているとよくわかるのだが、初見では何が起こってるのかわかりにくかったところです。ただザンクト・ポルトへの入港を巡るアイデアの数々は本当に素晴らしく称賛に値します。まともに入港しようとすれば戦闘になるとわかっているので、様々な勢力が工夫を凝らして入港している。

新しく気づいたことは、クンパ大佐が思わせぶりにカマをかけるように尋ねる物言いが、実はアイデアを他人に与えてやらせようと企んでいるということです。

第10話でクンパ大佐はグシオン総監に対して「海賊船を使ってザンクト・ポルトへ上がり、法王を人質にするつもりだったのでは?」と質問し、グシオンはそんなことは考えたこともないと返答します。ところがグシオンはそのすぐ後に大統領に同じようなことを話している。

ずっとこれはクンパ大佐がカマを掛けて、グシオンがそのアイデアを盗んだと解釈していたのですが、違いますね。クンパは自分がやって欲しいことを、相手がさも考えているかのように話して、アイデアを与えている。こうしてコントロールしてきたんですね。

のちにクンパ大佐はロルッカ・ビスケスに対しても「G-セルフに時限付きの核でも仕掛けて」と話すのですが、あれも「ロルッカさんは時限式の核でも仕掛けようと考えたのでしょう?」とカマをかけたふりをしながら実は「G-セルフに爆弾を仕込んでベルリを殺してくれ」と言いたかったのではないでしょうか?

あのときにはすでにベルリとアイーダがレコンギスタによるアースノイドとスペースノイドの衝突の妨げになると気がついていたのでしょうね。それで確実にふたりを殺せるように核兵器のことを持ち出したものの、さすがにロルッカはそこまではしなかった。

ただレイハントン家の再興はどうやら難しいようだとは悟るきっかけになった。そんなところのようです。その場面が来たらまた書きます。

こういう作品が本当の意味で「見るたびに新しい発見がある作品」なのでしょう。クンパ大佐の描き方ひとつにも工夫があって、何度か見ているうちにふと気づくことがある。

いまだに意味がわからないのが「G系統」のことですね。自分は∀ガンダムの機体で人類は絶滅寸前になったと解釈しているので、「∀ガンダム」の物語の前、あの機体が土に埋もれて眠りにつくまでの数年間が地獄だったと思っています。

初代ガンダムから∀ガンダムまでの期間に何があったのか、それらを考察しながらG系統の意味を探りたいのですが、こちらはまだ考えがまとまっていません。


この続きはvol:15で。次回もよろしく。




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