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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:3(再入植と再征服の違い) [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム Gのレコンギスタ」のブログ内同人誌「暁のジット団」vol:3をお届けします。

不定期更新なのはご了承ください。

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vol:3のテーマは、再入植と再征服(レコンギスタ)の違いについてです。


*地球への再入植はなされていたのか?

ムタチオンの事実は、安息な日々を送っていたスペースノイドに衝撃を与えました。地球の環境再生を待って再入植するというのが、宇宙世紀初頭からのテーマであったので、いつか地球に戻るという考え方は共有していたものの、それがいつになるのかはさして意識されていない問題でした。

ムタチオンによってそうはいかなくなったスペースノイドたちは、多くの人間が地球への再入植を希望するようになりました。そして、劇中で語られていたように、それは行われていたのです。あるものは無許可で、あるものは許可を取り、地球の住人になって生活を始めていました。

再入植の窓口になっていたのは、月の裏側にあるトワサンガです。

科学技術が厳しく管理されていたスペースノイドたちは、スコード教のタブーもあっておいそれと大気圏突入装置を作ることはできませんでした。もっとも確実で簡単な方法は、スコード教の許可を取り、トワサンガからザンクト・ポルトへ降り、キャピタル・タワーで降りてくるルートです。

この正規の再入植も、おそらくは行われていたでしょう。劇中で描写はありませんでしたが、地球に比べて宇宙ではクンタラへの差別が希薄だったことから、スペースノイドの中のクンタラを先に地球に下ろした可能性があります。ラライヤなどは、クンタラを遠い昔の話だと口にして、地球のクンタラとの間に温度差を感じさせています。

また、再入植に必要な情報収集のために、地球に先行移住させていた可能性は高いでしょう。地球環境が再入植に適す状態になっているのかどうか、どこに再入植すればどれほど食料が生産できるのかなどを調査せずに多くの人間を地球に戻すことはできないからです。

本格的な再入植のための準備は、トワサンガのレイハントン家とスコード教とキャピタル・テリトリーによって密かに進められていました。当然地球の情報はキャピタル・テリトリーに集積します。情報はレイハントン家を通じてヘルメス財団へもたらされ、ビーナス・グロゥブのラ・グーの元へと伝わっていたはずです。これら情報の独占は、スペースノイドに不満を蓄積させていきました。

そこに、ピアニ・カルータ事件の発覚がありました。


*クンパ・ルシータによる情報の簒奪

ドレッド家によるクーデターによって、トワサンガはドレッド家が支配するところとなりました。ところが、レイハントン家を滅亡させ、モビルスーツや宇宙戦艦の設計図を入手したからといって、エネルギーの供給はビーナス・グロゥブに頼っているわけですから、ドレッド家がヘルメス財団まで掌握することはありませんでした。

トワサンガは、クーデターによって火種を抱えた状態で、レコンギスタを目指すドレッド家とヘルメス財団が反目し合う形のまま、表面的には融和的態度を取って政治問題をやり過ごしていました。それはレイハントン家滅亡から10年を経ても解消されませんでした。

その間に暗躍したのが、ピアニ・カルータことクンパ・ルシータでした。彼はキャピタル・テリトリーの影響が強いゴンドワンに潜り込み、ヘルメスの薔薇の設計図を流出させ、さらに対抗組織としてアメリアにも同様の処置を行い、大陸間戦争の仕掛け人となっていたのです。

さらに彼は、自ら仕掛けた紛争の情報を持ってキャピタル・テリトリーに潜入し、キャピタル・ガードの調査部の責任者になります。この際に彼は、スコード教とヘルメス財団が地球への再入植を行うための調査をしていたことを知ります。キャピタル・ガードの調査部とは、スコード教とヘルメス財団による地球への再入植の調査情報が集まる機関だったのです。

彼は、トワサンガの混乱に乗じて、トワサンガが得るはずだった再入植の情報を一手に得る立場になったのです。

競争原理による人類の再強化を唱える彼は、再入植という方法ではスペースノイドは救われないと思っていました。そこで彼は、宇宙からの再入植を阻止して、彼らが武力による再征服(レコンギスタ)を仕掛けてくるように仕向けさせます。それが、アースノイドによる宇宙戦艦の建造と、ソーラーパネル設置による地球の自主独立機運を高めることでした。



*革新的国家であったアメリア

スコード教が深く浸透したゴンドワンは、クンパ・ルシータには扱いにくい国家でした。そこで彼は、広い国土と革新的人物の多いアメリアに眼をつけ、トワサンガのことは自分の出自がバレてしまうので隠しつつ、月の表面の異常とソーラーパネル設置をすることで、フォトン・バッテリーへの依存度を減らすことが出来ることを教えました。

スコード教の影響の小さいアメリアは、天体観測や技術革新に積極的で、コアになる技術の流出だけですべては思惑通りに運びました。宇宙からの脅威に怯えた彼らは、スコード教とヘルメス財団によって禁止が通達された宇宙戦艦の建造を行い、それを破棄するよう求められたのちは海賊船として運用したのです。この禁忌破りはゴンドワンを刺激し、またトワサンガも刺激しました。

トワサンガはドレッド家によってレコンギスタの準備を着々と始め、月の表面の要塞化はアメリアの天体観測班によって見つかり、まさに競争状態となったのです。これがクンパ・ルシータが望んだことでした。

地球の自主独立に目覚めたアメリアは、キャピタル・タワーを占領して、スコード教による支配が時代遅れになったことを知らせようと計画しました。その計画立案と責任者だったのが、アイーダの恋人のカーヒル・セイントでした。

無防備なキャピタル・タワーから強奪を繰り返すうちに、アメリアは自信過剰となっていきます。そこで更なる競争状態を作り出すために、クンパ・ルシータはキャピタル・アーミーを設立させていったのです。クンパ・ルシータによって、地球は大混乱に陥っていきました。

ところがこの情報は、トワサンガにはもたらされなかったのです。彼らに情報をもたらすのは、キャピタル・ガード調査部。そこの責任者はクンパ・ルシータであったため、情報は遮断されていたのです。



*地球の情報を得る必要性

トワサンガはヘルメス財団とドレッド家が反目しあっている状態で、地球の情報が不足していました。レイハントン家滅亡の容疑の掛かったドレッド家は、スコード教やヘルメス財団と冷戦状態にあり、キャピタル・タワーを使って地球に降りることはできませんでした。

そこで、ドレッド軍は独自に地球の情報を得るために、YG-111(G-セルフ)を地球に降下させたのです。これはクンパ・ルシータにとっては、自分で情報をコントロール出来なくなる可能性を秘めた事件であり、見過ごせないものでした。

そこで彼は、YG-111の情報をキャピタル・ガードとアメリアに流し、ドレッド軍の偵察を阻止しようと企みました。こうした場合にも競争を導入するほど、彼は徹底した競争原理主義者でした。幸いなことに、パイロットが地球の重力に慣れていないラライヤ・アクパールだったために、ドレッド家による独自偵察の任務は失敗しました。

連行されてきたラライヤ・アクパールは、酸素欠乏症によって記憶喪失状態にあり、保護下にある限り心配することはない状態でした。

こうしてクンパ・ルシータは、ドレッド家が独自の情報網を構築することを無事に阻止したのです。

争いの中でアメリアに奪われたYG-111に、クンパ・ルシータがかつて地球に連れてきたレイハントン家の娘が搭乗するという運命的な出来事が起こりました。クンパ・ルシータの工作によって製造された宇宙戦艦メガファウナは、協定逃れのために海賊船として運用されており、そのメンバーだったアイーダ・スルガンが乗ったのです。

アイーダは、恋人でありキャピタル・タワー占領作戦の立案者であるカーヒル大尉とともに、ベルリ・ゼナムとラライヤ・アクパールのいるキャピタル・タワーに攻撃を仕掛けてきたのです。



*平和(再入植)と戦争(再征服)

宇宙におけるピアニ・カルータと地球におけるクンパ・ルシータは、徹底した競争状態を創出することを目的としています。ヘルメス財団による情報隠匿に風穴を開けるためにドレッド家を焚きつけたのも彼でしょう。彼は、平和裏に行われる再入植では人類の強化はなされないと考えていました。

スペースノイドとアースノイドの再接触は戦争でなければならず、そのためにはスペースノイドが地球に対して再征服(レコンギスタ)を仕掛けてくるのが彼にとって最も都合が良かったのです。

再入植のための調査情報を簒奪してその可能性を摘み、巧みに両陣営を操りながら暗躍した彼の動きを見ることで、再入植が再征服に変わっていった過程と、それらの火消しをしながら再入植の必要性を学んだアイーダとベルリのことがよく理解できてくると思います。

追記。

地理関係に記憶違いがあったので一部修正しました。キャピタル・テリトリィ(南米コロンビア、ブラジル、ベネズエラのあたり)に近いのはアメリアです。



この続きはvol:4で。次回もよろしく。



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