「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:3(再入植と再征服の違い) [Gのレコンギスタ ファンジン]
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vol:3のテーマは、再入植と再征服(レコンギスタ)の違いについてです。
*地球への再入植はなされていたのか?
ムタチオンの事実は、安息な日々を送っていたスペースノイドに衝撃を与えました。地球の環境再生を待って再入植するというのが、宇宙世紀初頭からのテーマであったので、いつか地球に戻るという考え方は共有していたものの、それがいつになるのかはさして意識されていない問題でした。
ムタチオンによってそうはいかなくなったスペースノイドたちは、多くの人間が地球への再入植を希望するようになりました。そして、劇中で語られていたように、それは行われていたのです。あるものは無許可で、あるものは許可を取り、地球の住人になって生活を始めていました。
再入植の窓口になっていたのは、月の裏側にあるトワサンガです。
科学技術が厳しく管理されていたスペースノイドたちは、スコード教のタブーもあっておいそれと大気圏突入装置を作ることはできませんでした。もっとも確実で簡単な方法は、スコード教の許可を取り、トワサンガからザンクト・ポルトへ降り、キャピタル・タワーで降りてくるルートです。
この正規の再入植も、おそらくは行われていたでしょう。劇中で描写はありませんでしたが、地球に比べて宇宙ではクンタラへの差別が希薄だったことから、スペースノイドの中のクンタラを先に地球に下ろした可能性があります。ラライヤなどは、クンタラを遠い昔の話だと口にして、地球のクンタラとの間に温度差を感じさせています。
また、再入植に必要な情報収集のために、地球に先行移住させていた可能性は高いでしょう。地球環境が再入植に適す状態になっているのかどうか、どこに再入植すればどれほど食料が生産できるのかなどを調査せずに多くの人間を地球に戻すことはできないからです。
本格的な再入植のための準備は、トワサンガのレイハントン家とスコード教とキャピタル・テリトリーによって密かに進められていました。当然地球の情報はキャピタル・テリトリーに集積します。情報はレイハントン家を通じてヘルメス財団へもたらされ、ビーナス・グロゥブのラ・グーの元へと伝わっていたはずです。これら情報の独占は、スペースノイドに不満を蓄積させていきました。
そこに、ピアニ・カルータ事件の発覚がありました。
*クンパ・ルシータによる情報の簒奪
ドレッド家によるクーデターによって、トワサンガはドレッド家が支配するところとなりました。ところが、レイハントン家を滅亡させ、モビルスーツや宇宙戦艦の設計図を入手したからといって、エネルギーの供給はビーナス・グロゥブに頼っているわけですから、ドレッド家がヘルメス財団まで掌握することはありませんでした。
トワサンガは、クーデターによって火種を抱えた状態で、レコンギスタを目指すドレッド家とヘルメス財団が反目し合う形のまま、表面的には融和的態度を取って政治問題をやり過ごしていました。それはレイハントン家滅亡から10年を経ても解消されませんでした。
その間に暗躍したのが、ピアニ・カルータことクンパ・ルシータでした。彼はキャピタル・テリトリーの影響が強いゴンドワンに潜り込み、ヘルメスの薔薇の設計図を流出させ、さらに対抗組織としてアメリアにも同様の処置を行い、大陸間戦争の仕掛け人となっていたのです。
さらに彼は、自ら仕掛けた紛争の情報を持ってキャピタル・テリトリーに潜入し、キャピタル・ガードの調査部の責任者になります。この際に彼は、スコード教とヘルメス財団が地球への再入植を行うための調査をしていたことを知ります。キャピタル・ガードの調査部とは、スコード教とヘルメス財団による地球への再入植の調査情報が集まる機関だったのです。
彼は、トワサンガの混乱に乗じて、トワサンガが得るはずだった再入植の情報を一手に得る立場になったのです。
競争原理による人類の再強化を唱える彼は、再入植という方法ではスペースノイドは救われないと思っていました。そこで彼は、宇宙からの再入植を阻止して、彼らが武力による再征服(レコンギスタ)を仕掛けてくるように仕向けさせます。それが、アースノイドによる宇宙戦艦の建造と、ソーラーパネル設置による地球の自主独立機運を高めることでした。
*革新的国家であったアメリア
スコード教が深く浸透したゴンドワンは、クンパ・ルシータには扱いにくい国家でした。そこで彼は、広い国土と革新的人物の多いアメリアに眼をつけ、トワサンガのことは自分の出自がバレてしまうので隠しつつ、月の表面の異常とソーラーパネル設置をすることで、フォトン・バッテリーへの依存度を減らすことが出来ることを教えました。
スコード教の影響の小さいアメリアは、天体観測や技術革新に積極的で、コアになる技術の流出だけですべては思惑通りに運びました。宇宙からの脅威に怯えた彼らは、スコード教とヘルメス財団によって禁止が通達された宇宙戦艦の建造を行い、それを破棄するよう求められたのちは海賊船として運用したのです。この禁忌破りはゴンドワンを刺激し、またトワサンガも刺激しました。
トワサンガはドレッド家によってレコンギスタの準備を着々と始め、月の表面の要塞化はアメリアの天体観測班によって見つかり、まさに競争状態となったのです。これがクンパ・ルシータが望んだことでした。
地球の自主独立に目覚めたアメリアは、キャピタル・タワーを占領して、スコード教による支配が時代遅れになったことを知らせようと計画しました。その計画立案と責任者だったのが、アイーダの恋人のカーヒル・セイントでした。
無防備なキャピタル・タワーから強奪を繰り返すうちに、アメリアは自信過剰となっていきます。そこで更なる競争状態を作り出すために、クンパ・ルシータはキャピタル・アーミーを設立させていったのです。クンパ・ルシータによって、地球は大混乱に陥っていきました。
ところがこの情報は、トワサンガにはもたらされなかったのです。彼らに情報をもたらすのは、キャピタル・ガード調査部。そこの責任者はクンパ・ルシータであったため、情報は遮断されていたのです。
*地球の情報を得る必要性
トワサンガはヘルメス財団とドレッド家が反目しあっている状態で、地球の情報が不足していました。レイハントン家滅亡の容疑の掛かったドレッド家は、スコード教やヘルメス財団と冷戦状態にあり、キャピタル・タワーを使って地球に降りることはできませんでした。
そこで、ドレッド軍は独自に地球の情報を得るために、YG-111(G-セルフ)を地球に降下させたのです。これはクンパ・ルシータにとっては、自分で情報をコントロール出来なくなる可能性を秘めた事件であり、見過ごせないものでした。
そこで彼は、YG-111の情報をキャピタル・ガードとアメリアに流し、ドレッド軍の偵察を阻止しようと企みました。こうした場合にも競争を導入するほど、彼は徹底した競争原理主義者でした。幸いなことに、パイロットが地球の重力に慣れていないラライヤ・アクパールだったために、ドレッド家による独自偵察の任務は失敗しました。
連行されてきたラライヤ・アクパールは、酸素欠乏症によって記憶喪失状態にあり、保護下にある限り心配することはない状態でした。
こうしてクンパ・ルシータは、ドレッド家が独自の情報網を構築することを無事に阻止したのです。
争いの中でアメリアに奪われたYG-111に、クンパ・ルシータがかつて地球に連れてきたレイハントン家の娘が搭乗するという運命的な出来事が起こりました。クンパ・ルシータの工作によって製造された宇宙戦艦メガファウナは、協定逃れのために海賊船として運用されており、そのメンバーだったアイーダ・スルガンが乗ったのです。
アイーダは、恋人でありキャピタル・タワー占領作戦の立案者であるカーヒル大尉とともに、ベルリ・ゼナムとラライヤ・アクパールのいるキャピタル・タワーに攻撃を仕掛けてきたのです。
*平和(再入植)と戦争(再征服)
宇宙におけるピアニ・カルータと地球におけるクンパ・ルシータは、徹底した競争状態を創出することを目的としています。ヘルメス財団による情報隠匿に風穴を開けるためにドレッド家を焚きつけたのも彼でしょう。彼は、平和裏に行われる再入植では人類の強化はなされないと考えていました。
スペースノイドとアースノイドの再接触は戦争でなければならず、そのためにはスペースノイドが地球に対して再征服(レコンギスタ)を仕掛けてくるのが彼にとって最も都合が良かったのです。
再入植のための調査情報を簒奪してその可能性を摘み、巧みに両陣営を操りながら暗躍した彼の動きを見ることで、再入植が再征服に変わっていった過程と、それらの火消しをしながら再入植の必要性を学んだアイーダとベルリのことがよく理解できてくると思います。
追記。
地理関係に記憶違いがあったので一部修正しました。キャピタル・テリトリィ(南米コロンビア、ブラジル、ベネズエラのあたり)に近いのはアメリアです。
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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:2(ムタチオンとピアニ・カルータ事件) [Gのレコンギスタ ファンジン]
vol:2のテーマは、ムタチオンとピアニ・カルータ事件です。
*スペースノイドに起こったムタチオン
宇宙世紀初頭において、キャスバル・レム・ダイクンによって唱えられた理想主義は「地球を汚す人類は、すべからく1度宇宙へ上がって、地球環境の再生を待つべきだ」というものでした。
彼の理想主義はアムロとの対話によって奇跡を起こし、それが源となってのちに宗教化したものがスコード教であると前回述べました。スコード教はスペースノイドに忍耐と使命感を与え、資源枯渇に伴う大きな危機の後、宇宙に住む者は地球環境が元通りに戻るのを辛抱強く待っていました。
しかしその宗教化した理想主義を根底から揺るがす出来事が発生します。それがスペースノイドの間に起こったムタチオン(突然変異)でした。
人間の遺伝子は、世代をまたぐ宇宙での生活によって変異を始めてしまい、人間の姿を大きく変えようとしていたのです。これは宗教に縛られたスペースノイド社会を揺さぶりました。理想主義は、過酷な現実を突きつけられて動揺したのです。それは深い絶望をもたらしました。
戦争を禁止し、科学技術の発達を生存のためのみに使うことで、スペースノイドの生活は最悪期を脱していました。彼らは幸福の中にあり、このまま宇宙で暮らしても構わないと考える人間もいたでしょう。なかなか争いがなくならない地球と違い、宇宙は平和で安全だったからです。
しかしそれは突如壊れました。元々スペースノイドは、地球環境が改善され、人類から争いごとがなくなった暁には地球に帰還するつもりでいました。スコード教の教義でもそうなっていたでしょう。ところが地球への帰還は、待ったなしの課題として浮上し、いつ、どのように地球へ戻ればいいのか、早急に結論を出さねばならなくなったのです。
そんなときに起こった出来事がピアニ・カルータ事件でした。
*ピアニ・カルータ事件とは何か
ピアニ・カルータは、ビーナス・グロゥブの居住者でした。彼の当時の身分はわかっていませんが、のちに発揮した能力の高さから、行政府にいた高級官僚だと推測されます。彼は迫りくるムタチオンに絶望しながらも、ある事実に気づきます。それは、ただ地球に還るだけでは、変異した遺伝子は元に戻らないという事実です。
我が身に変異の起きてしまった人間は元には戻りません。それは仕方がないにしても、たとえ地球に戻っても、スペースノイドの子供や孫はいつムタチオンに襲われるかわかりません。これを何世代かかっても元に戻さなければいけない。官僚ならばそのように考えたでしょう。起こってしまった生物としての劣化を食い止め、強化する必要を彼は感じたのです。
スペースノイドの遺伝子を強化するには、ひとつに地球への帰還を果たして重力環境で生活すること、ふたつに競争を行って遺伝子を強化することが必要だと彼は結論付けました。競争の中には戦争も含まれます。これらはスコード教の教義に反するため、彼の考えは表沙汰にはならなかったはずです。
ヘルメス財団の一員であった彼は、その立場を利用し、宇宙世紀時代のタブーであるヘルメスの薔薇の設計図を私的に持ち出して研究することを始めました。そこには戦争のための道具が有り余るほど設計図として残っていました。彼はそれを軍に流し、さらにモビルスーツ開発の科学研究施設をいくつか作り上げて、戦争の種を徐々に蒔いていきました。
外からの訪問者が誰もいないビーナス・グロゥブは、やがて必要となるとの理由で自警団を組織し、エネルギー運搬船以外の宇宙船の建造も始まりました。これらは、地球への融和的帰還のための準備だと宣伝されていたはずです。年齢的に中堅官僚だったはずのピアニ・カルータは、自分の考えを表沙汰にすることなく、密かに競争を巻き起こす準備を始めていました。ジットラボの他にも研究所はいくつも設立されていたはずです。なぜならピアニ・カルータの目的は競争であったからです。
ビーナス・グロゥブにおいて地球への帰還を理由にモビルスーツ開発、自警団の組織化など軍務に携わった経験から、彼は武官としてトワサンガで勤務し、ここでも密かにヘルメスの薔薇の設計図をばら撒きました。ところがこれが思わぬ事態を引き起こします。
トワサンガには、ドレッド家とレイハントン家というふたつの名門貴族がありました。ドレッド家は武官であり、レイハントン家は文官でした。ヘルメス財団の情報はレイハントン家が握っており、それが家柄の優位性に繋がっていたのですが、ヘルメスの薔薇の設計図の流出によってそれが崩れ、とうとうドレッド家によるクーデターへと発展したのです。
レイハントン家の当主は妻ともども殺され、ふたりの子供も命を狙われました。競争によって生命を強化するという目的をもってヘルメスの薔薇の設計図を流出させてきたピアニ・カルータですが、一方的な暴力によって殺害することは彼の主義に反していました。それは競争ではないからです。また、レイハントン家の滅亡は必ず大きな問題になり、調査が入ることは確実でした。彼はどこかに逃げる必要があったのです。
そこで彼は、レイハントン家のふたりの子供もろとも地球へ逃げ去ったのです。ピアニ・カルータはレイハントン家の子供を身分を隠して施設に預け、行方をくらませました。そのふたりの子供が、善き里親に拾われ、アイーダ・スルガンとベルリ・ゼナムとなったのです。
トワサンガのヘルメス財団の中核を担っていたレイハントン家の滅亡は、ビーナス・グロゥブも知るところとなり、詳しい調査が入ったことでしょう。その際に、すべての元凶はビーナス・グロゥブの官僚ピアニ・カルータだと判明し、彼の残した手掛かりから彼の思想性も明らかになりました。
これらを称して、ピアニ・カルータ事件と呼ばれるようになったのです。
*ヘルメスの薔薇の設計図とは何か?
ピアニ・カルータが流出させたヘルメスの薔薇の設計図とは、宇宙世紀時代の自航式大型ドック・ラビアンローズが蓄積してきた設計図の数々のことです。アナハイム・エレクトロニクス社所有のこの大型ドッグは、宇宙世紀時代を通じてモビルスーツから戦艦まであらゆる兵器の設計図を膨大な情報として持ち続けていたのです。
のちに宇宙はスコード教によって戦争が厳しく禁じられましたが、彼らが溜め込んだ利権のすべては解放されず、権利を引き継いだヘルメス財団とスコード教、そしてトワサンガ、ビーナス・グロゥブの統治者及び行政官たちによって技術は小出しにされ、戦争に繋がるものは禁忌となりました。
トワサンガで、ヘルメス財団の幹部として活動していたレイハントン家は、アナハイム・エレクトロニクス社の重要な幹部の血族だと推測されます。
*ヘルメスの薔薇の設計図は、運命の機体を蘇らせた
ドレッド家の反乱によって滅亡させられたレイハントン家は散り散りになってしまいますが、レイハントンの領民たちは、当主の遺志を引き継ぎ、レジスタンスとなってレコンギスタに反対する立場を取りました。そんな彼らがドレッド家に対抗するために入手した設計図が、ガンダムだったのです。
レイハントン家秘蔵の設計図を基に、レジスタンスたちはYG-111という機体を組み立てます。レイハントン家滅亡によって活動資金に困窮していた彼らは、これを軍に採用してもらえるよう働きかけますが、性能に未知な部分が多く、組み立てた人間も機構がよくわかっていないことから、結局は不採用になって、偵察機として活用されることになったのです。
正規パイロットはラライヤ・アクパール。彼女はレジスタンスの地区の出身ながら、ドレッド軍の正式なパイロットだったのです。
*そしてレコンギスタが発動する
ピアニ・カルータ事件によって、彼の思想性は白日の下に晒され、反発する者と共感するものを生んだ。ピアニ・カルータに共感する者たちは、スペースノイドが地球を再征服するという目標を持った。ムタチオンに対する恐怖に怯え、地球への早急なる帰還の是非が問われる中、緩慢な守旧派は久しく忘れていた武力を行使する意思を持った人間を前に、ただただ怯えるだけだった。
スペースノイドは、その高い知能によってアースノイドを善導できるはずだと考えた。地球は宇宙からもたらされるエネルギーに依存しており、自分たちでそれを生み出すことはできない。スコード教とキャピタル・テリトリーを通じて、地球への帰還は確実に行えるはずだった。あとは軍事に関する準備を確実に進めるだけのはずだった。
ところがその目論見は外れることになる。全宇宙にヘルメスの薔薇の設計図をばら撒いた張本人であるピアニ・カルータは、クンパ・ルシータと名を変え、地球にもヘルメスの薔薇の設計図をばら撒き、戦争の準備をさせていたからであった。
ピアニ・カルータの目的は、人と人を激しく競争させることであり、スペースノイドによる一方的な地球の統治では足らないと考えていたのだ。それではムタチオンは克服できない。彼はスペースノイドを守るべく行動していたが、そのやり方は独特であった。彼の目的は、競争原理による人類の強化であって、競争なきスペースノイドの勝利は望んでいなかった。
クンパ・ルシータによって軍事技術の数々を入手したゴンドワンとアメリアは大陸間戦争を始め、戦争の渦はキャピタル・テリトリーへも迫っていた。
ピアニ・カルータという名前でスペースノイドを再武装させた男は、クンパ・ルシータという名前でアースノイドをも再武装させ、双方を戦争という競争の渦に巻き込みながら、自分の考えが正しいのかどうか知ろうとしていた。
彼の目論見は、スコード教の本拠地であるキャピタル・テリトリーにも及んでいた。彼は自分が地球に連れてきた子供のことなどすっかり忘れていた。
そこに、運命の機体が舞い降りてきたのである。
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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:1(背景にあるもの) [Gのレコンギスタ ファンジン]
当ブログ内で「ガンダム Gのレコンギスタ」の同人活動を始めることになりました。同人活動といっても2次創作、エロ絵はまったくございませんのであしからず。
考察系の昭和的ファンジンだと思ってください。
この作品は公式からの情報が少なく、また混乱しているので、同人活動と称して好き勝手に物語を読み解くことを当同人の趣旨といたします。
「Gレコ ファンジン 暁のジット団」を読まれる方は、画面左にある[マイカテゴリー]の一番上をクリックしていただけると、最新号が読めるようになっています。
掲載は不定期です。
vol:1 は、「ガンダム Gのレコンギスタ」の背景にある事柄を探っていこうと思います。背景にある事柄を知って、より興味を持っていただければ幸いです。
*「ガンダム Gのレコンギスタ」と「機動戦士ガンダム」の関係
「ガンダム Gのレコンギスタ」(通称Gレコ)は、「機動戦士ガンダム」シリーズの、シャアとアムロの物語と対を成すものです。
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」~「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」までがシャアとアムロの物語ですが、シリーズを通して「地球を汚す人類は、すべからく1度宇宙へ上がって、地球環境の再生を待つべきだ」と語られます。
これはシャア・アズナブルことキャスバル・レム・ダイクンの理想主義ですが、彼は運命の変転を経て、宇宙移民の期待を一身に背負う立場に陥り、最後は全アースノイドの抹殺を考えるまでに思いつめてしまいます。それを救ったのがアムロでした。
アムロは運命的出会いをした愛機ガンダム(RX-78の後継機)の力を信じ、巨大隕石要塞アクシズの地球落下を食い止めます。引力によって地球に堕ちつつあるアクシズを押し戻そうとしながら、アムロとシャアは人間の業というものを語り合います。そしてついに相互理解の扉が開かれました。
ニュータイプ同士の相互理解は、アムロが搭乗するνガンダムのサイコミュに増幅され、膨大なエネルギーを発生させます。その力によってアクシズは軌道を変えたのでした。
この出来事からおよそ2000年後(公式では不明)の物語が「ガンダム Gのレコンギスタ」です。
*スコード教とはなにか。
「ガンダム Gのレコンギスタ」の物語本編には、スコード教という架空の宗教が登場します。この宗教こそ、シャアとアムロが開いた理想主義の相互理解と、それが起こした奇跡によって生まれた宗教なのです。宗教という強い拘束が、スペースノイドに忍耐と使命感を与えました。
アクシズの落下が迫り、人類が滅亡する恐怖に怯えていた人々は、夜空に瞬く強い光を見ました。人々はその光が何なのか理解できなかったでしょうが、それによって人類は滅亡を逃れることが出来ました。そして、アクシズ落下阻止に関わった生存者によって、奇跡の正体が語られます。
ところがその後も人類が争いをやめることはなく、宇宙世紀は延々に続く戦争の時代になってしまいました。やがて戦争は外宇宙にまで拡がり、宇宙世紀は希望の世紀ではなく絶望と破壊の世紀になっていったのです。シャアとアムロが理解しあった理想主義は、戦争屋には意味のないものでした。
そこで発生したのが、人間同士の相互理解を信じ、人間が地球から離れて暮らすことで地球環境の自律的回復を待とうという、市井の人々の運動でした。それはスペースノイドの行動規範としてまとめられ、やがて破ってはならない教義として確立していきました。
戦争は続いていましたが、政治や軍隊に関係のない市井の人々は、政治運動に頼るのをやめ、宗教運動として自らの身を律して生きようと覚悟を決めたのです。この運動が顕在化した時代に宗教家によってリギルド・センチュリーが制定され、政治家が定めた宇宙世紀と併存することになりました。
これがおよそ宇宙世紀1000年ごろです。
*レコンギスタとは何か
宇宙世紀が1000年を過ぎた辺りから、地球環境は壊滅的となり、資源は枯渇し、地球表面の砂漠化が進行したことによって、地球は暗黒の時代へと突入します。アースノイドとスペースノイドは断絶し、それぞれが困難の時代を生きることになります。
アムロとシャアというスペースノイドのニュータイプが切り開いた相互理解の可能性は、地球においては忘却されてしまいました。しかし宇宙では、スコード教によってその教えは伝達され、時折地球の人間と接触(「∀ガンダム」宇宙世紀約1500年、リギルド・センチュリー500年ごろ)しながら、「地球環境が再生したのちの、地球への帰還(レコンギスタ)」が待たれることになりました。
時は流れ、アムロとシャアの時代からおよそ2000年。「∀ガンダム」において地球人と接触し、レコンギスタが時期尚早だと知ったスペースノイドが、フォトン・バッテリーの供給を通じてアースノイドにスコード教の教義を広め、教化を進めていたある日のこと・・・。
スペースノイドを精神的に追い込む事態が顕在化してきたのです。スペースノイドの間に拡がったムスタチオン(突然変異)でした。地球環境下で生きるために作られた人間という生物は、宇宙で疑似的な地球環境を再現しても、その遺伝子は歪められ、変質していたのです。
恐怖に駆られたスペースノイドたちの間で、地球への帰還が強く議論されるようになりました。日々遺伝子が破壊され、人間の姿をとどめることが難しくなる一方では、緊急性を要する議題として扱われたことでしょう。特に地球から離れた金星のビーナス・グロゥブでは顕著であったはずです。
彼らの行動の邪魔になったのが、皮肉にも彼らを律し、地球環境を改善してきたスコード教と、その理想を共有するヘルメス財団でした。そしてついに、彼らに反旗を翻す人間が現れてしまったのです。その人物の名は、ピアニ・カルータ。彼こそ、早急なレコンギスタを仕掛けた人間でした。
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「ガンダム Gのレコンギスタ」劇場版に向けてブログ同人を作る [Gのレコンギスタ ファンジン]
元記事→https://news.nicovideo.jp/watch/nw4226324
あまり無理しなくてもいいと思うのですが・・・。懐かしの「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」も劇場版3部作として制作されるそうで、40周年を経てガンダムはお盛んでございますなぁ。ファーストをリアルタイムで観ていたとき、まだ小学生でしたわ。
支援になるかどうかはわかりませんが、現在視聴中の「機動戦士Zガンダム」の中で「ガンダム Gのレコンギスタ」に繋がるものがあったので書き記しておきます。既知の方もおられるでしょうが、Gレコは評判が芳しくなく、悪口しか言われないので、気づいた方がいても発表する場所がないんですよね。
なので、ここで細々と書き残しておきます。劇場版を鑑賞される際の参考になれば幸いです。
①月の裏側トワサンガにはふたつの名家があった。
トワサンガにはドレッド家とレイハントン家というふたつの名門貴族がいました。武力でレコンギスタを行いたいドレッド家に対して、レイハントン家はスコード教の教義に反することはしたくないとの立場です。
これは宇宙世紀初期のザビ家とダイクン家に対応していると思われます。武力で事を成そうとするザビ家と、目的は同じながら手段を異にした故に暗殺されたジオン・ズム・ダイクン。レイハントン家の遺児で、主人公ベルリとアイーダの父も暗殺されています。犯人がわかっちゃいましたね。
②ダイクンの遺児とレイハントンの遺児
ジオン・ズム・ダイクンの遺児といえば、もちろんキャスバルとアルテイシア。革命家の父が暗殺されたことで兄妹は支持者に逃がされて名を変えて生活を始めます。
レイハントン家の遺児は、アイーダとベルリの姉弟。これは確実に対比させてあります。ダイクンもレイハントンも月の裏側の出身で、スペースノイドとアースノイドの間に入って政治と軍事に関わります。ただ違うことがふたつある。
ひとつはキャスバルのジオンへの恨みを消してあること。アイーダとベルリは、父が暗殺されたようだと知るものの、その犯人探しには関与しません。ドレッド家への恨みはなくしてある。アイーダとベルリに悪感情で動いてほしくなかったのでしょう。
もうひとつは、政治と軍事の分離です。キャスバルは兄であったために、両方を背負い込んだ。これを姉弟にしたことで、政治と軍事を分け、シャアが終わらない戦いに身を投じて、スペースノイドの殉教者にならざるを得なかった状況を避けてある。アイーダが政治を引き受け、ベルリがG-セルフで軍事を引き受けている。
アイーダがポンコツ姫だったのは、彼女には政治という役割があったからです。もし続編があるなら、彼女の政敵はクリム・ニックになります。
③ラビアンローズとヘルメスの薔薇の設計図
ラビアンローズはガンダムシリーズに登場する、自航式大型ドックのこと。アナハイム社の所有物で、戦艦から客船、モビルスーツに至るまで修理をこなしていたものです。Gレコ劇中で最後まで謎だったヘルメスの薔薇の設計図は、ラビアンローズでデータとして保管されていた設計図や整備マニュアルのことかもしれないです。新旧のあらゆる設計図が保管されていたはずなので、これっぽいですね。
レイハントン家はフォトンバッテリーの情報公開を拒んだことが原因でクーデターに遭ったようなので、レイハントン家がラビアンローズのデータを管理していたかもしれないです。
④ビーナス・グロゥブのラ・グーはシャアの理想形
ザビ家への復讐から始まったシャア・アズナブルの経歴だが、復讐を終えたあと彼は理想主義者として振舞う立場に追いやられる。彼の主張では、すべてのアースノイドは一度宇宙へ出て地球環境の保護に努めながら人類の革新を待つということになっている。
この理想の具現者が、ビーナス・グロゥブの統治者であるラ・グーだ。
このララァ・スンの肌とシャアの金髪を持つ人物は、宇宙でひたすらムスタチオンに耐えながら人類の暴走を危惧している。彼は晩年のシャア・アズナブルの理想の具現者なのだ。
⑤宇宙世紀中頃、宇宙では別の時代区分が使われ始めた
公式も混乱しているようなので、ひとつの考え方として、宇宙世紀1000年ごろ、スペースノイドたちの間で戦争忌避の機運が高まり、スコード教が興ったと考えると、Gレコのリギルド・センチュリーは宇宙世紀と併存していた可能性が出てくるのだ。
そのころは外宇宙と銀河系で戦争をしていたようなので、銀河辺境の太陽系地球付近は資源が枯渇して戦争どころではなく、地球の再建と文明復興のために大昔のシャアの理想主義が見直され、宗教化していったと考えると、時系列が整理されてわかりやすくなる。
公式が認めてくれないと安心できない人がいるようだが、公式たって昔のオレの仕事も似たようなもんで、おっさんが辻褄合わせを必死にやってるだけなんだよ。だから公式より先にファンジンがより良い答えを出しても別にかまわない。昔は同人誌を読んで「これ使えそう」なんてのは普通だった。
ちなみにリギルド・センチュリーが始まって500年後が「∀ガンダム」だと仮定すると、月のところの描写が味わい深くなる。「∀ガンダム」は宇宙世紀から1万年後とされているが、これは∀時代は文明が発達しておらず、正確な年代測定ができていなかったとすればいいのだ。
黒歴史云々も、スコード教の禁忌の強さを考えると、あの時点での接触が地球への帰還のためらいとなって、地球でのスコード教の布教を先に行うといった決定になったとも想像できる。これはファンジンでやるような話だが、最近の同人誌はこういうものじゃないそうだ。
⑥スコード教の起源は「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」
宗教の起源には何かしらの奇跡なり神秘体験があると考えると、スコード教の起源はそもそも宇宙世紀初期に起こったシャアによるアクシズ落しをアムロが阻止した事件にまで遡るのではないだろうか。⑤のアイデアで歴史を眺めると、Gレコから宇宙世紀初期まで2000年。キリストや卑弥呼が神格化されたのと同じくらいの時間経過になる。
Gレコの時代から見てシャアとアムロの時代は神話時代。そのとき起こったニュータイプ同士の相互理解がオールドタイプに影響を及ぼすという奇跡が、言い伝えとなって神格化し、時代を経てスコード教にまとまっていった。
神はシャアとアムロになるが、その名前は失われ、ただ人と人が深く理解し合えた温かい奇跡だけがのちの時代に残っている。こう考えればよかったのだ。
このアイデアを思いつかなかったのは、∀まで1万年、そこからあやふやな時を経てさらに1000年と考えてしまったからだ。UCとRCが併存していたと考えれば、Gレコがシャアとアムロの時代を下敷きにして作られているともっと早く分かったはずだ。
以上です。この記事で少しでもGレコに興味を持っていただければ幸いです。
「ガンダム Gのレコンギスタ」に関しては、これからも細々と考察を続けていこうと思うので、独自のカテゴリを作って同人誌のような形にしていきたいと思っております。いままでの感想記事などをカテゴリに入れておきました。ファンジンの名称はいずれ考えます。
「ガンダム Gのレコンギスタ」劇場版は、言ってみればバンダイからの退職金みたいなものでしょうし、ヒットは望まれていないかもしれませんが、せっかく富野が頑張って作品を作っているのだから、最後まで応援したいものです。
「機動戦士ガンダム」のおかげでたくさん楽しませてもらいましたよ。ガンダムがなかったらオレがプラモを作ることもなかったわけですし。
富野には感謝しかないです。本当にありがとう。
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