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「ゆがんだ月」(1959年作品)感想 [映画]

松尾昭典監督による日本のアクションドラマ映画。出演は長門裕之、芦川いづみ、三島雅夫。

<あらすじ>

立花組の辰吉が撃たれて死んだ。彼を兄と慕っていた正夫は戸惑った。警察に事情を聴かれたが何も話さなかった。彼は組から口止め料を貰った。撃った犯人は幹部の立石だったが、五郎が代わりに出頭した。こうしたヤクザのやり方に憤慨した正夫は、マスコミにすべてをぶちまけて組から追われる身になった。

密造酒を巡るトラブルが殺しの原因だった。立石は逮捕され、正夫は愛人の奈美子とともに東京へ逃げた。奈美子はバーで働くことになった。そこに立花らの影が忍び寄り、奈美子は連れ去られた。彼女は香港に売り飛ばされることになった。怒った正夫は殺し屋の由良と対決し、ともに倒れた。奈美子らを乗せた船は、海上保安庁に捕まった。

<雑感>

こうしたヤクザの抗争の話でもなければ日本はアクション映画を作れない時代があった。

当時はまだSFやファンタジーが社会に定着しておらず、フィクションを組み立てる上で現実に存在しないものはすべて荒唐無稽として排除されていた。しかし「ゴジラ」の大ヒットにより、フィクション、ノンフィクションという区分が崩れ、どんな形式であれテーマ性の有無によって作品が評価されるよう流れが変わった。

作家の三島由紀夫も「ゴジラ」のヒットに衝撃を受け、「これからの小説はああいうものでなければいけない」と発言しているが、それは別に怪獣小説が主流になるという意味ではなく、人間を描く際に人間そのもので表現する必要はないと彼は洞察したのだ。

日活はヤクザ映画の成功でSF、ファンタジー的な脚本への移行が遅れてしまったが、「ゴジラ」を成功させた東宝はいち早く脚本の在り方を変えていった。

この作品は、ヤクザのアクションと、殺し屋に追われるサスペンスを基調にしており、そこそこ成功した内容ではあるが、あまりにも似たような作品を大量生産してしまったために、その中で目立った存在として記憶されていないようだ。

☆3.2。長門裕之の確かな演技に支えられた良作ではあるが、そうした脚本のレベルアップについていけない当時からすでに時代遅れになった映画でもある。











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