SSブログ

「乳房よ永遠なれ」(1955年作品)感想 [映画]

田中絹代監督による日本のドラマ映画。出演は月丘夢路、森雅之、葉山良二。

<あらすじ>

下条ふみ子は仕事で失敗して薬漬けの日々に堕ちた夫と別れて実家へ戻った。彼女は歌会に誘われて、生活苦を詠んだ作品を提出する。離婚調停で息子を取られ、好きになった男が死んだふみ子は、乳癌を患って肺にまで転移してしまった。和歌が評価されたのはそのときだった。

和歌の作者を訪ねてやってきた記者の大月は、病魔に侵されて自暴自棄になっているふみ子を励ました。ふみ子は半ば自棄になって大月と寝た。そして彼が本社に戻っている間に死亡する。大月は彼女の子供を連れて湖に花束を投げた。

<雑感>

乳癌や男性に人生を翻弄される女性を描いた、女性ならではの視点に溢れた良い作品だった。田中絹代は時代が時代ならもっと評価された監督だったかもしれないなぁ。

あくまで女性視点に徹した内容で、面白いのは男性不振ではなくもっと感情的な拒否反応であること。大月と寝ているのだが、愛情がからきし感じられない。死に際の肉欲の開放的な描写だ。男も死に際は勃起するというし、人間の本能というのはそういうものなのだろう。

男を拒否する一方で、子供への深い愛情があることも特徴。現代的な女性性は、男性性に反発して対等になろうとする上野千鶴子的おっさん思考の女性性だが、田中絹代には母性があって、それが女性視点であっても嫌味を感じさせないことに繋がっている。

☆5.0。母性を捨てて政治的存在になった気色悪い女はこの映画には出てこない。











コメント(0) 
共通テーマ:映画

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。