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「ウラニャ」(2006年作品)感想 [映画]

Costas Kapakas監督によるイタリア・ギリシアの思春期映画。出演はマリア・グラツィア・クチノッタ、Aris Tsapis、Dimitris Piatas、Manolis Mavromatakis。

<あらすじ>

ギリシアの山村に5人の少年が住んでいた。彼らは村はずれに住む魅惑的な娼婦のウラニャ相手に童貞を捨てることを夢見ていた。そこで5人分のお金を貯めて、みんなで彼女のところへ行こうと話し合っていた。でも、それぞれ夢もあって、アポロの時代のことでもあり、テレビが欲しくなったので目標を切り替えた。

彼らはお金がもらえる仕事なら何でもやった。そしてついにテレビが買えるまでになった。さっそく出掛けようとするとお金がなくなっていた。ひとりがやはりウラニャのことを忘れられず、彼女の小屋へ行ったのだ。慌てて後を追いかける4人。すると抜け駆けした少年はちょうどことを終えたところだった。

ウラニャの誘惑に抗しきれなくなった3人が次々に小屋の中に入っていくなか、アキレスだけが小屋に入っていけなかった。なぜなら彼は村のゾーイに恋していたからだ。結局、アキレスは童貞を捨てられず、ドボドボ歩いて帰ると、ゾーイはより安全なアテネに引っ越すという。

童貞を捨てた4人と失恋したアキレスは、村のパブにテレビが届いたというので見に出かけた。

<雑感>

アポロの月面到着時の話なので、1969年の出来事。ギリシャは1967年から1974年まで軍政で、国内は悲惨な有様であった。ヨーロッパ諸国はずっと自分たちは民主主義者ですみたいな顔をしているが、共産主義国はできるわ、軍事政権はできるわ、戦争は起こるわ、メチャクチャだったのだ。

そんな怖ろしい時代であっても、子供たち、とくに少年の考えることは変わらない。大人たちは大変な時代を必死に生き延びているが、子供は政治に関係ないので呑気なものだ。

童貞を捨てることと失恋をすることが、大人になる通過儀礼として同列に並べてあって、大変好感が持てる内容だった。過ぎ去った少年時代をコミカルに描いた映画は多いが、その中でもかなり上位に来る作品だと思う。ウラニャ役の女優さんも美しくて色っぽい。

SF作家の小松左京は、宇宙から撮影された地球の美しい姿に感動して、それまで机の引き出しに隠してあったマリリン・モンローの写真を捨てて地球の写真を宝物にするようになったという。女の子に興味を持ったり、宇宙に興味を持ったり、突拍子もない飛躍に胸を躍らせたり、少年の心は自由に飛び回るものなのだ。

☆5.0。おすすめ動画にたびたび掲載されながら、アマゾンの評価が低いためにスルーしていた作品だが、もっと早く見ておけばよかった。アマゾンの評価って、ハリウッドの大作やアイドル映画は評価が高いが、こういう文芸作品になるとまるで頓珍漢な評価ばかりになる。読書経験に乏しいバカが必死に投稿しているんだろうなってわかるよね。

こうした作品は、映画関係のブログよりも個人ブログの方がまともな評価をしている。感想記事を書いている個人ブログの中には鋭い指摘があったりして唸らされる。











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