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「何が彼女をさうさせたか」(1930年作品)感想 [映画]

鈴木重吉監督による日本のドラマ映画。出演は高津慶子、小島洋々、藤間林太郎。

<あらすじ>

すみ子の家は貧しく、親は手紙とわずかな金を渡して彼女を親戚の家に送り出して自殺してしまう。金のないすみ子が路頭に迷っていると、親切そうな男が家に招き入れて炊き込みご飯を腹いっぱい食べさせてくれた。すみ子は感謝したが、男は彼女が寝入ると荷物を漁って金を奪った。

親戚の家はすみ子に迷惑そうだった。しかし金があるようだと受け入れ、金がないとわかると奴隷のように扱い、飯も食わさず、それすら惜しいとサーカス団へ娘を売り渡した。そこで同じ曲芸師の新太郎と出会って脱走を図るも、男は事故に遭ってしまう。煙たがられたすみ子は職を転々としながらひどい目に遭い続ける。

そして新太郎と再会。彼は生活苦に喘いでおり、ふたりは心中しようと話し合う。ところが、すみ子だけが生き残ってしまった。施設に預けられた彼女は、園長で新興宗教の教祖のように振舞う梅子に反抗、施設に火を放った。梅子だけが金を持って生き延び、全員を焼死させた。

警察に捕まったすみ子は、犯行を認めた後に「みんな、天国へ!」と叫び出した。

<雑感>

日本が貧しい時代の怖ろしい運命に翻弄された女性の物語で、サイレント映画。残念なことにクライマックスの場面は文字情報だけで映像はない。原作が強烈なことで有名。舞台などでもたびたび上映されている。「嫌われ松子の一生」のように、豊かな時代の不幸と違って、貧しい時代の不幸なので救いがない。社会全体が豊かになるしかないと当時は考えられていた。

☆5.0。これもサイレント時代の傑作映画。放火魔で気が狂ったかのようでありながら、まるで天使のようにあどけない女性の心が、どのように運命に翻弄されてきたのかを描いてある。











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