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「時をかける少女」(2006年作品)感想 [映画]

細田守監督による日本のSFアニメ映画。原作:筒井康隆。

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<あらすじ>

紺野真琴は理科準備室に不審な影を発見してその後を追った。転倒した彼女はタイムリープできるようになっていた。叔母の芳山和子に相談したところ、少女期にはよくあることだとそっけない返事。真琴はちょっとだけ時間をさかのぼって小さな幸せを満喫することに忙しかった。

ある日、真琴は友人の津田功介から交際を持ち掛けられる。それまでの関係を続けたかった真琴は時間を遡ってモラトリアムを設けた。本人はそのつもりだったが時間改編の影響は確実に出てきており、調理実習のトラブル回避にタイムリープを使い逃げたことが原因で功介は別の女性と付き合うことになった。

真琴の「何もなかったことにしたい」行動指針が、やがて重大な事故を招き寄せる。ブレーキが壊れかかった真琴の自転車を功介と彼女が使い、最初にタイムリープした時間軸に乗ってしまったのだ。これを助けたのは功介と並ぶもうひとりの大切な友人の間宮千昭だった。彼は未来人でふたりを助けたのが最後のタイムリープ能力であった。真琴の能力も尽きていた。

このままでは誰も救えず千昭を不幸にしただけだと思い悩んでいたとき、誠は能力が1回だけ回復していることに気づいた。今度はみんなをちゃんと救うと決めた彼女は理科準備室に戻り、功介と彼女の仲を取り持ちつつ千昭に未来に起こることを打ち明けた。

千昭と真琴は、未来で再開することを約束して別れた。3人で仲良く過ごす幸せな日常は、表向き引っ越しとされた千昭がいなくなったことで壊れてしまったが、未来にやるべきことを見つけた真琴はそんな現実を受け入れられるようになっていた。

<雑感>

この作品や細田守のことを知ったのは公開から数年後の2012年ごろだったはずだ。近所のツタヤで見かけて「時かけがアニメになったんだ」と気になったものの、細田を知らないので知ってる原作だからと借りずに放置していた。

数週間後「サマーウォーズ」をテレビで見て、この監督面白いじゃんと調べてみたら、レンタル屋で気になっていた「時をかける少女」が同じ監督だとわかり、すぐに借りて鑑賞した。

原作をかなり改変してあるものの理科準備室での出来事から事件が起きていく基本線は一緒で、演出しか見どころのなかった原田知世版の100倍は面白くてすぐに夢中になった。

このころ、深夜アニメに対する偏見が強くてアニメは避ける傾向にあったのだが、一方でポスト宮崎駿を探さなきゃなという気持ちもあって、細田守に注目して情報を得ていった。ジブリとはいろいろ因果があって、彼がジブリに入社していればいまごろ会社を率いていたのは彼だっただろう。良い演出家を見つけるのは砂漠の砂の中から金を見つけるようなものだといいながら、宮崎駿は手に取った金をポイと投げ捨てたのだ。彼は本当に創作に特化した人格なのである。

原作の主人公である芳山和子が、脇役で登場するところも気に入っていた。なんで声優が原田知世じゃないんだと少しだけ不満だったが、よく考えれば原田知世では声が若すぎると納得した。「時をかける少女」は何度も映画化されているので、芳山和子が主人公のパターンと脇で出演するパターンが確立しつつある。筒井もまさかこんなことになるとは思っていなかっただろう。

「時をかける少女」の魅力は主人公が良く動くことにある。この作品の主人公真琴は、走り回っているわりに重要なことから逃げ回っていて、その因果のもつれが未来の一点に集約されていく脚本も魅力のひとつ。とにかくよく動き、走り回る青春映画だった。

☆5.0。通算で10回ほど鑑賞している作品だが、機会があれば必ず観てしまう。


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