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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:53(Gレコ2次創作 第16話・後半) [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム レコンギスタの囹圄」


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第16話「死の商人」後半



(アイキャッチ)


宇宙へ上がったアメリア軍は、キャピタル・タワーからの通信を得てザンクト・ポルトに入港した。しかしそこはかつて来訪したときの穏やかさとは打って変わって、疲れ果てた人々がわずかな物資を奪い合う難民キャンプのような場所へと変貌していた。

アイーダ「これは一体どうしたことなのでしょう?」

ケルベス「どうもこうもないですよ。ザンクト・ポルトはキャピタル・テリトリィから搬入させる物資で成り立っていたんです。そのキャピタルがクリムトン・テリトリィなんて名前に変われば、こういうことにもなりますって」

ケルベス・ヨーはタワーこそ守り抜いたものの、レックスとレックスノーだけの戦力では地上のゴンドワン軍に打って出ることもできず、ザンクト・ポルトに居住する一般人の身の危険を考え、ついにキャピタル・タワーの放棄を決心した。

ケルベス「我々キャピタル・テリトリィの人間は絶対にクリム・ニックを許したりしない。この責任は必ずあいつに取らせる所存です。そこでアメリアのアイーダさんの協力を得たいのです」

アイーダ「一般人はアメリアで亡命を受け入れましょう。問題は軍人ですが」

ケルベス「実は、レックスとレックスノーの運用ではもはや限界なのです。新しいMSを提供していただけるとありがたいのですが」

アイーダ「アメリア軍でもそのことが問題になっているのです。グリモアではゴンドワンの最新鋭機に対抗できないと。ですが、エネルギーには限りがありますし、戦争のための道具を作るのにそれを割くのは議会が承認しないでしょう」

ケルベス「戦時体制のゴンドワンはもう少し粘れば一気にガタが来ますよ」

実際はキャピタル・テリトリィが備蓄していたフォトン・バッテリーを奪った彼らゴンドワン軍は、新都市建設にエネルギーを費やしてもまだ余裕があった。クリムトン・テリトリィ建設に投資された資金によって、他地域の余剰エネルギーを買い取っていたからだ。

アイーダ「(頭を押さえ)天才くんがもっとバカならよかったのですが。なかなか」

ケルベス「そこでお願いなのですが、トワサンガへ連れて行っていただきたいのです。トワサンガはベルリたちがいて、エネルギーもおそらく豊富に残って、優秀なMSがあるはずです。一般人はアメリアへ受け入れていただいて、我々はぜひトワサンガへ」

アイーダ「それはわたくしも考えました。しかし、タワーを閉鎖して本当に大丈夫なのですか?」

ケルベス「キャピタル・タワーはフォトン・バッテリーを降ろす先が宗教国家であるキャピタル・テリトリィだったから公平であり得たのです。クリムトン・テリトリィなどという胡散臭い国に降ろしたら、それこそ腐敗の温床になるでしょう。それに様々な閉鎖処置を施していますし、ノウハウのない連中に運用できるほど単純なものでもありません。もはや、戦うしか道はなくなっている」

アイーダ「了解しました。では兵士の皆さまはわたくしの船にどうぞ。こちらもトワサンガにMSの手配を頼みたいので、ご一緒するのが良いでしょう。それに月の表側にクレッセント・シップとフルムーン・シップが来ているようなので、メガファウナは無事にビーナス・グロゥブとの往還を果たし、戻ってきているはずなのです。ベルリにはラ・グー総裁の真意を聞かねばなりませんし」

ケルベス「通信できないということは月のあたりでも誰かがミノフスキー粒子を散布したということか・・・。トワサンガを追放されたというジャン・ビョン・ハザムの身柄はどうしましょう?」

アイーダ「本人はどうしたいと?」

ケルベス「自分がドレッド家の傀儡であるというのは濡れ衣であるから、トワサンガへ戻って身の潔白を証明したいと。それにどうやらトワサンガではクーデターが起こったようなのです。これが不思議なのですが、法王庁の人間がやって来た途端にクーデターが起き、守備隊もろともあっという間にトワサンガを放逐されたというんですね。レイハントン家のレジスタンスが主導したのかと尋ねると、そうではなく、キャピタル・ガードなのだと。自分はこの真意を確かめたい」

アイーダ「ではさっそく一般人を収容した船は下に降ろしましょう。ガードのみなさんはすぐにラトルパイソンに乗っていただいてすぐに出発致しましょう」







月を盾に使いクレッセント・シップとフルムーン・シップを隠したメガファウナは、ムーンレイスの月面基地へと入港した。

そこはきらびやかな都市そのものだった。大きさに比べて人の数が少ないことを除けば、地球のどの都市より発達しているといっても過言ではない。驚くのはライトがどれも明るすぎるくらい明るいことであった。それにエアカーも飛び交っている。

メガファウナ一行は案内されながら感嘆するしかなかった。

副艦長「トワサンガでもないのにこの賑わい。こんなに人が少ないのに全空間を照らす無駄遣い」

ドニエル「こりゃまぁ一体どうしたこった?」

ハリー「エネルギーなどソーラーパネルもあれば縮退炉もあれば核融合炉もある。何がそんなに不思議なのでしょうか?」

ドニエル「縮退炉? なんじゃそら」

ハリー「エネルギーなど無限にあるということです」

メガファウナのクルーたちは、流線型で形作られた真っ白な宮殿のような空間へと案内された。そこが作戦指令室だと聞くとさらに驚くしかなかった。アメリア人は自分たちが世界で1番豊かな国に生まれたと自負しているが、使用できるエネルギーに割り当てがある以上、これほどデザイン性を意識した建造物を作ることなどできなかったからであった。

彼らはめいめいにポカンと口を開けて、宙に浮かび上がる映像を目にした。そこにモニターはなく、空間に映像が投影されていたのである。

実際に会うまでムーンレイスという集団について疑心暗鬼だった彼らアメリア人も、彼ら月の住人が実在し500年の眠りから目覚めたとの話を信じるしかなくなった。

ディアナ「ようこそ。親愛なるアメリアのみなさん。わたくしがディアナ・ソレルです」

金髪の美しい少女が階段を降りてやってきたとき、クルーたちは自分たちが月ではなく地球と同じ重力を感じているのだと改めて理解した。

ドニエル「お招き感謝する。自分はメガファウナ艦長ドニエル・トス。早速ですが、これからの予定を話し合いたい」

話に割って入ったひとりの女性がいた。ウィルミット・ゼナムであった。

ウィルミット「あの、ベルリやノレドさんたちは?」

ドニエル「ベルリは戦闘中に体調を崩しまして、メガファウナの医務室で休んでいるのです。ノレドは付き添い。ラライヤは出てきたときはメガファウナのモビルスーツデッキにいましたな」

ウィルミット「お伺いしてもよろしいでしょうか?」

ドニエル「それはもちろん」

ウィルミット「では伺わせていただきます」

そういうとウィルミットは頭を下げながらその場を辞した。

ディアナ「(ドニエルに向かって)謎解きは月の宙域を掌握してからでよろしいでしょう。トワサンガというところをいかに占領するかを話し合いましょうか」

ドニエル「一般人を巻き込みたくはないのですがね・・・。折り入ってご相談したいのは、ムーンレイスのモビルスーツを提供していただくことはできませんか。そろそろ現有戦力では限界を感じているところで。聞けば、エネルギーは豊富にあるとか」

ディアナ「モビルスーツですか・・・。人とは結局そうなっていくものなのですね。戦いには勝たねばならない。そのために戦力を高める。相手はそれに応じる。こちらもまた・・・。この繰り返し」

ドニエル「いやしかし、いまはそうもいっていられない状況でして」

ディアナ「考えてはおきますが、おそらくそれは大きな誤りでしょう」







ムーンレイスの月面基地に入港したメガファウナは、ザンクト・ポルトでガヴァン隊と戦って以来修繕できていなかった箇所を集中的に直すことになった。設備はすべてムーンレイスによって提供されたのだが、手渡された機器がユニバーサルスタンダードではなかったことと、いくら使用してもフォトン・バッテリーを消費しないことは彼らには驚きであった。

アダム・スミス「規格に合わないものは全部変圧器を通して使えるようにしろ。そのままで使用できるものには発光テープを巻いてわかりやすくしておけ」

ハッパ「コンセントの規格すら違うんだから一体どうなっているんだか」

アダム・スミス「よくわからんが、宇宙世紀時代のものなんだろう?」

ハッパ「彼らは宇宙世紀とは違うと言ってますが、フォトン・バッテリーを使っていない以上、こちらの文明と違うのは明らかですね」

アダム・スミス「いや、これは宇宙世紀時代のものだ。アメリアだって500年前の産業革命当時はまだ宇宙世紀の規格を使っていたんだから、500年前に戦争に負けて眠らされたというなら宇宙世紀時代のものだろう」

ハッパ「へぇ、そうなんですか」

アダム・スミス「宇宙世紀時代のモビルスーツを発掘して産業用機械として使っていたのさ。アメリアはどこかと戦争したらしいが」

ハッパ「自分らはそのあとの移民なのでそうしたことは詳しくないですね。それに、スコード教以前の歴史は学校でも習いませんしね」

アダム・スミス「300年以上前の歴史は禁忌になっているからな」

ふたりのところにラライヤが戻ってきた。彼女はG-アルケインの新しいユニットの調整をしていたのだ。これはハッパが作り出したG-セルフのシステムのコピーだった。

ラライヤ「命令通りに動きますけど、サイコミュとかニュータイプとか、本当にこれG-セルフのものなんですか? わたしが乗って大丈夫?」

ハッパ「すまんな。自分もコピーしただけだから詳しいことは把握できていないんだ。ただ、G-アルケインを組み立てたときに不明だった部分がG-セルフの操作系と同期することでわかってくることは確かだ。ヘルメスの薔薇の設計図のG系統に共通のものじゃないかな」

ラライヤ「(ハッパの隣に立ち)資格のことを訊いているんですけど」

ハッパ「ビーナス・グロゥブで起こった話を聞けば、ラライヤしかいないってなるさ」

そこへウィルミット長官がやって来たとの知らせが入り、ハッパは仕事に戻ってラライヤは長官の下へと飛び上がっていった。

ラライヤ「ベルリのお母さん、リリンちゃんは?」

ウィルミット「(笑顔で)こんなに早く再会できるとは。リリンはムーンレイスの方々が教育を施してくださるとのことで、臨時の教育施設を作ってそこで勉強させているんです。ディアナさんからは本格的な学校が欲しいからと頼まれたのですが、使っている文字が違うので教科書から作っているところです。キャピタル・テリトリィに戻れば、ベルリが使っていた教科書があるんですけど・・・。ところで、ベルリの容態は?」

ラライヤ「もう安定しました。精神的なものだそうです」

ウィルミット「あの子が!」

ラライヤ「ベルリさんは人一倍戦いを憎んでいるのに、人一倍戦わされるので、いろいろあるんです」

ラライヤはメガファウナの医務室へウィルミットを案内した。ドアが開くと、ベルリとノレドが喧嘩している最中だった。ノレドはむいた梨をベルリに食べさせようとして、ベルリはそれを嫌がって逃げ回っていたのだ。傍ではメディー・ススンとキラン・キムが呆れながらその様子を眺めている。

ノレド「ベルリは病人なんだから大人しく寝てるの!」

ベルリ「もう治ったったら。え? 母さん?」

ウィルミット「病室でなんてザマですか! 大人しくしてなさい!」

ベルリ「(真っ赤になって)ノレドが子ども扱いするからこんなことに」

ノレド「せっかく梨をむいたのに。貴重品なんだよ」

ウィルミットの顔を見て大人しくなったベルリはベッドに戻り、ノレドはもう1度ベルリの顔の前に梨を差し出したが顔を背けられたので怒り、自分で半分齧って、残りをラライヤに食べさせた。

ベルリ「母さんがトワサンガを抜け出てムーンレイスの人たちと一緒にいると聞いたときは驚いたってもんじゃなかった」

ウィルミット「(周囲を見回し小声になる)そんなことより聞いて欲しいの。ムーンレイスの人たちはアグテックのタブーを知らなくて、古い危険な技術をたくさん使っている。フォトン・バッテリーに依存する気はさらさらなくて、それどころかスコード教を打倒しようとしている。どうしたらいいと思う? みんなの知恵を貸して」

ベルリ「は? 母さん、もしかして・・・」

ノレド「スパイしてた?」

ラライヤ「なんて危険なことを」

ウィルミット「(居ずまいを正して)人聞きの悪いことを言わないで。わたくしはちゃんと彼らの文明復旧に手を貸しいたしました。レイハントン家に封じられたとディアナさんが怒っておられたので、手伝ったのです。これはベルリにも関わることなので。しかしお手伝いをしているうちに、彼らの文明は独立していてスコード教と馴染まないとわかって、どうしたらいいものかと」

ベルリ「ムーンレイスだけじゃない。ビーナス・グロゥブにもトワサンガにも反スコード教がいる」

ノレド「あたしはビーナス・グロゥブで薔薇のキューブを見た。お母さまはトワサンガで薔薇のキューブを見た。ハッパさんの部屋にアンドロイドって奴が置いてあるんだ。おそらくお母さまが見たものと同じのはず」

ベルリ「そいつはG-シルヴァーのパイロットでもあった。奴と戦ってぼくは暗い世界へ引き込まれてしまった。心を別の場所へ引き込んでしまうんだ・・・」

ラライヤ「ずっと考えていたんですけど、これはあくまで仮説ですが、レイハントン家というのは反スコード教と戦っていたのではないですか? フォトン・バッテリーを世界に供給して余剰エネルギーを持たせず、戦争をさせない仕組みはトワサンガのレイハントン家が目指した人類の在り方で、ムーンレイスを封じたようにレイハントン家は反スコード教、宇宙世紀復活派も封じたのではないかと」

ベルリ「(頭を掻きながら)ディアナさんは、レイハントン家がスコード教への改宗を迫るために目覚めさせたと思い込んでいた。でもそうじゃないとトワサンガで気づいて、方針転換した。彼女の狙いはなんなんだ?」

ウィルミット「うーん。おかしいのは、ディアナさんたちに何かの悪意は感じないってことなのよね。スコード教への改宗などは微塵も考えてはいないけど、ユニバーサルスタンダードなども、自分たちが目指していた方向性と同じだと感心していた。ハリーさんなどはユニバースという言葉が大好きで、ユニバーサルスタンダードに肯定的ですし」

ラライヤ「やはり、スコード教に二重の意味のようなものがあって、長官などは良い意味でのスコード教を支持していて、逆にディアナ女王などは悪い面を知っているから指示はできないと言っているとしか思えないのですが」

ノレド「あたし思ったんだけど、ビーナス・グロゥブの秘密ってさ、秘密を隠すための秘密じゃないのかな。それは、スコード教が本当は悪い宗教だったって秘密。薔薇のキューブの中の宇宙世紀が本当はスコード教の本来の姿で、大昔のレイハントン家の祖先は、ムーンレイスの冬の宮殿なんかの影響を受けて、クンタラの身分制度とかそういうものが嫌になって否定した。ユニバーサルスタンダードなんかも本当はムーンレイスがやりたいと思っていたことで、それを奪った。ビーナス・グロゥブの薔薇のキューブは、闇の宮殿って呼ばれていたんだよ。ディアナさんの話じゃ、レイハントン家の祖先もみんなそれに乗って宇宙の果てから地球に戻ってきたっていうし」

ベルリ「ムーンレイスと接触したことで、ヘルメス財団は内部分裂した・・・」

ラライヤ「こういうことでは? ビーナス・グロゥブの闇の宮殿の中に宇宙世紀を残しておいたのは、レイハントン家の方針が失敗したときのための保険だった」

ウィルミット「レイハントン家の方針とは、もともとムーンレイスがやりたがっていたユニバーサルスタンダードと宇宙世紀の反省ということですね」

ノレド「クンタラのことも」

ウィルミット「クンタラの習慣を捨て、宇宙統一規格を作り上げ、宇宙世紀の反省としてエネルギーが過剰にならないようにフォトン・バッテリー供給システムを作り、それをスコード教に託した。ではムーンレイスを封印したのは?」

ベルリ「それも保険? 自分たちが敗れて再び宇宙世紀に戻ろうとしたときのために、宇宙世紀の技術を持ったムーンレイスを月に封印した・・・。彼らに宇宙世紀の復活の阻止を託すために」

ノレド「敗れるってどういうこと? 宇宙世紀派に戦争で負けるってこと?」

ベルリ「人類が戦争で争い続けることを望めば、それがレイハントン家の敗北だったのでは? そう考えれば、クンパ大佐がビーナス・グロゥブの人だったことの説明になる」

ラライヤ「ということは、薔薇のキューブの人たちとは、反スコード教じゃなくて、反レイハントン家。ヘルメス財団1000年の夢って・・・」

ノレド「宇宙世紀終焉と宇宙世紀復活の二重の意味があった?」

ウィルミット「ヘルメス財団の中のふたつの夢が戦っていた・・・。正義の夢と悪の夢・・・」

ラライヤ「エンフォーサーの意味は、レイハントン家の方針を終わらせるために大執行を行う人々ということでは?」

ノレド「だったらあれじゃない? G-ルシファーをジット団に作らせていたのは、ロザリオ・テンを壊してしまうためだったんだ! それをあたしとマニィが盗んじゃって勝手に使っていたんだ!」

ラライヤ「そうですよ!」

ノレド「あたし・・・、悪いことしたんじゃなかったんだ。スコード教のためにも、レイハントンのためにもなったんだ・・・、よかった、よかった・・・」

そう話しながらノレドは泣き出してしまった。ラライヤはそっと彼女に寄り添った。

ベルリ「(立ち上がり)ちょっとディアナに会って、このことを話してくる。母さんも来て」







アメリア東海岸にあるカリル・カシスのキャバレーに、ロルッカがやって来ていた。彼はいつものように多くの女をはべらせ、高い酒を次々に注文していく。

程よく酔いが回ったところでカリルはロルッカにトワサンガ製の武器を扱ってくれないかと遠回しに持ち掛けた。すると鼻の下を伸ばしていたロルッカの顔色がサッと変わり、どす黒く酒臭い顔をカリルに近づけてきた。

ロルッカ「どうしてお前のようなクンタラがトワサンガの話を知っている?」

カリル「いやですよぉ、お客さん。わたしも詳しいことはわからないのよ。ただお客さんの中に地球で武器商人をやれる知り合いはいないかって訊かれたものだから」

ロルッカ「そいつは本当にトワサンガ製のMSを扱うと言っていたのか? このご時世に?」

カリル「なんでもレコンギスタしてきたドレッド軍の元技術者だって話でしたね」

ロルッカ「トワサンガのドレッド軍が・・・。どういうことなんだろうか・・・。それでオレにどうしろと」

カリル「クリムトン・テリトリィに行けばわかるとか」

ロルッカ「あんな危険なところ」

カリル「あそこはゴンドワンの飛び地扱いですから、パスポートもいりませんし、お客さんならと思って声を掛けさせていただいたのですが、見当違いというならば他の人に・・・」

ロルッカ「いや、待て。(少し考えこむ)トワサンガから武器を密輸するのなら、フォトン・バッテリー用のコンテナに入れて運んでくるはずだ。ということは・・・、あ、そうか、わかったぞ。カシーバ・ミコシとキャピタル・タワーを使って正規のルートで降ろせる算段が付いたということだ。運んでくるMSのリストなどはあるのか」

それはないとカリルは答えたが、カリルの立場でそれを知るはずがないと勝手に判断したロルッカは妙に興奮した面持ちで札束を机に叩きつけて立ち上がった。

ロルッカ「クリムトン・テリトリィのどこへ行けばいい?」

カリル「以前、国会議事堂と議員宿舎があった場所ですよ。いまはゴンドワンに占拠されていますけど、カリル・カシスの紹介できたといえば話は通じます」

それだけ聞くと、ロルッカは意気揚々と店を後にして帰っていった。多くの女たちで彼を見送ったカリルと仲間の女性たちは、深々と頭を下げその姿が消えるとお互いの肘をぶつけ合って必死に笑いを堪えた。事前の打ち合わせでは、クンタラの自分たちがトワサンガの人間を説得するのは困難だと予想していたのだ。

カリル「あれが死の商人か。間抜け面ね」







空になったザンクト・ポルトを見て、クリムとミックは唖然とするしかなかった。

クリム「補給を済ませて来てみれば、アイーダにまんまと出し抜かれたってわけか!」

ザンクト・ポルトの中には人っ子一人おらず、ガランとした空間に鳥の鳴き声が響き渡るばかりであった。ゴンドワンの兵士がふたりに近寄ってきて報告をした。

兵士「ダメです。我々ではクラウンを動かすことはできそうもありません」

クリム「だろうな」

ミック「そうとわかってるから放棄したんでしょうね。月にクレッセント・シップとフルムーン・シップがありますけど、これからどうしましょう?」

クリム「いや、まずはトワサンガだ。カシーバ・ミコシのルートを使って直接トワサンガに向かう。アイーダのことだから、ザンクト・ポルトの一般人をアメリアへ降ろすために戦艦2隻は使ったはずだ。だとしたら、月にメガファウナがいても2対3。シラノ-5さえ占拠してしまえば何とでもなるさ」

ミック「トワサンガの備蓄バッテリーさえ押さえてしまえば?」

クリム「こっちの勝ちさ」


(ED)


この続きはvol:54で。次回もよろしく。















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