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「ガンダム レコンギスタの囹圄」第15話「月の同盟」前半 [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム レコンギスタの囹圄」


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第15話「月の同盟」前半



(OP)


ムーンレイスと交渉するため、G-アルケインはメガファウナを出撃した。

暫定的に複座に改良されたG-アルケインであったが、複座のまま高速飛行形態に変形できないとわかって今回だけの仕様となった。その間にハッパはG-アルケインの性能アップのため、コクピットにG-セルフに使われている技術を一部導入することになった。複座への換装はハッパが前からやりたかった試みにチャンスを与えたのだ。

複座に改良されたG-アルケインは、操縦席にラライヤ、後部座席にノレドとリリンを乗せて月の裏側にある進入口より内部に潜入した。

リリンはとても目が良く、観察力が高い。彼女は1度見たきりの冬の宮殿への通路を正確に記憶しており、彼女の指さす方へ向かうだけで簡単に電話が設置された場所に辿り着いてしまった。

しかし、電話を使うまでもなく、冬の宮殿にはディアナ・ソレル、ウィルミット・ゼナムらがすでにいたのだ。ふたりはG-アルケインがゆっくり着陸するのを待っていた。

ノレド「ベルリのお母さん、どうしてここに?」

コクピットから降りてきたノレド、ラライヤ、リリンの3人は久しぶりの再会を喜んだ。

ディアナ「冬の宮殿にこれが落ちていたんです」

ディアナが見せたのは、3人が法王を救出した際に落としていった発信器であった。

ディアナ「月の裏側から救難信号をが発せられているのを確認いたしましたので、こうしてやって来たのです」

ラライヤ「それ、わたしたちが落としたものです」

ウィルミット「こちらはディアナ・ソレル女王さまです」

ラライヤ「あなたがディアナ・ソレル!」

驚いたラライヤは目を丸くしてディアナ・ソレルを観察した。たしかにお伽噺の挿絵から抜け出てきたような美しい姫であった。リリンは絵本の主人公を直に目にして感動している様子であった。

複雑な表情を浮かべたのはノレドひとりである。

その表情を見逃さず、ディアナは泰然とノレドに近づき話し始めた。

ディアナ「察するにあなたがベルリ・レイハントンと恋仲というノレド・ナグさんですね。(ウィルミットに向かって)生命力に溢れた良いお嬢さんです。思えばわたくしにもこのような少女時代がありました。(ラライヤに向かって)パイロットスーツを着ておられるのですから、あなたがラライヤ・アクパールさんでしょう。おふたりのことはハリーに連絡を受けたのちにこちらのお母さま・・・いえ、ウィルミット長官からお伺いいたしました。(リリンの前で身をかがめて)こちらの小さな方はリリンさんですね。とても利発なお子さまだとか。さて、あなた方がこの冬の宮殿にいらした目的は何でしょう」

ディアナ・ソレルの貫禄ある話しぶりに気圧された3人だったが、目的を思い出してメガファウナがムーンレイスと交渉するつもりでいることを手短に伝えた。

ディアナ「承知いたしました。つまりあなた方はビーナス・グロゥブからやって来た巨大な2隻の船を守るための戦力がない。それを貸して欲しいと。わたくしどもは月の世界に戦争を持ち込んで荒らして欲しくない。これならどちらが損をする話でもありますまい。ではこれで我々ムーンレイスとトワサンガの和平は成立したのだと考えてよろしいので」

ノレド「(恥ずかしそうに)やっぱりベルリと結婚するんですか?」

ディアナ「(きっぱりと)いえ、レイハントン家と結ばねば和平が成立しないとなればそれなりの覚悟があると申したまで。必要がないのであれば、婚儀などいたしません。それでいつ、わたくしはトワサンガに入れますか?」

ラライヤ「ディアナ女王はトワサンガの女王になりたいのですか?」

ディアナ「わたくしは生まれながらの女王です。そうではなく、こちらの・・・いまからお母さまではなくウィルミット長官とお呼びいたしますが、長官から伺った話の中に気になる事柄があったのです。それは、トワサンガには住人たちにも知られていない秘密の空間があり、そこには非常に古い時代の多くの技術が残されていて、アンドロイドすら製造されていたと」

ノレド「アンドロイド! 秘密の空間って真四角のおっきな空間ですか?」

ウィルミット「(驚いて)そうよ、なぜノレドさんがそれを」

ノレド「あたし、ビーナス・グロゥブに同じような空間があるのを見ました。リリンちゃんも一緒でした。(リリンが頷く)上下さかさまで、ビルがたくさん建ち並んでいて、どの建物もガラス張りで凄かったんです。なかでアンドロイドが働いていて」

ウィルミット「(驚いて)ああ、そうなの? だとしたらわたしが見たものと同じものでしょう。わたしはジムカーオ大佐からヘルメス財団に入ってそこで働かないかと誘われたんですけど、なんというか・・・反スコード的なものを感じて逃げて来たんです」

ノレド「反スコード! それだ!」

はからずもウィルミットとノレドというふたりの敬虔なスコード教信者がヘルメス財団の秘密施設に潜入したことがわかり、彼女たちの中に違和感の本質は徐々に形作られていった。ふたりの話に耳を傾けていたディアナ・ソレルは、時を待たず結論に辿り着いた。

ディアナ「反スコードの正体とは、まさにこの冬の宮殿と同じもの、宇宙世紀のことでしょう」

ウィルミット・ノレド・ラライヤ「宇宙世紀!」

ディアナ「ディアナ・カウンターを放棄したわたくしたちがレイハントン家と対立したのは、彼らの中にいくつものウソを見抜いたからです」

ノレド「そうなんだ。絶対にウソをついている(ラライヤも頷く)」

ディアナ「1000年も前のことをお話いたしましょう。これはわたくしどもに伝わっている話です。彼ら薔薇のキューブで地球に戻ってきた者たちは月と反対の位置にコロニーを構え、地球とわたくしどものことをずっと観察しておりました。彼らは宇宙の果てから戻ってくる際に資源を使い果たしており、科学技術は発達しておりましたが宇宙世紀の野蛮人で、人間を食料にしており、クンタラというなくていい身分階層を作り上げて人を食べていたのです。その野蛮な行為をやめさせるために、わたくしたちは彼らに過去の地球にあった遺伝子のサンプルを提供したのですが、食料に困らぬと分かったとたんに彼らは地球へクンタラを捨てたと聞いております。地球に捨てられたクンタラは未開状態に落ちていた地球の人間を食べる側に回りました。その悪習が広かったことから、我々はいまのアメリアなどに介入して文明の発達を促すことにしたといいます。ところが我々が地球への帰還を先延ばしにしたと知った彼らは、ムーンレイスとの間に戦争を仕掛けてきたのです。戦うことにタブーのない彼らは、ムーンレイスを圧倒しました。ところが急に、レイハントンという者がやってきて、月の中に基地を作ってそこに逃げろと持ち掛けてきました。コロニーは破壊され、追い詰められていたわたくしたちは、すがるように彼の提案を受け入れ、月に逃げ延びました。ところが騙され、全員わたしたちの技術で眠らされてしまったのです。これが500年前に起こった出来事です」

ウィルミット「(ノレドとラライヤに向かい)ベルリがG-メタルというものを持っているでしょう? あれが認証キーになっていて、ムーンレイスの皆さまを起こしたというのです」

ノレド「(意を決して)そのあとキャピタル・タワーを作ったんでしょ? そのとき、クンタラが奴隷としてタワーの建設に使われたんじゃないですか?」

ウィルミット「え! まさかそんな!」

ラライヤ「(考え込みながら)たしかに、キャピタル・タワーというのは、スペースノイドの技術力と労働意識の高さがなければ建設し得ないものです。トワサンガの人間はあれを自分たちが作ったと信じていますが、トワサンガの人口であれほどの巨大なものは作るのに膨大な時間が掛かってしまいます。奴隷を使ったと考えれば・・・」

ディアナ「食べるための奴隷に与えるエサがもったいないからと地球に捨てたあとも、クンタラという身分制度を維持したまま今度は奴隷として働かすために教育したのでしょう。そして完成したらまた捨てられた」

ウィルミット「キャピタル・テリトリィにクンタラが多い理由・・・。差別が色濃く残っている理由・・・。まさかそんな悲しいことがあってよいのでしょうか?」

ディアナ「スコード教というもの、それらも元はといえば我々ムーンレイスの文化を背乗りしたものではないでしょうか。ムーンレイスは宇宙世紀の歴史を黒歴史として過去に葬り去りました。それをあなた方リギルド・センチュリーを使う文明が奪ったのです」

ウィルミット「我々は文化の簒奪者だった?」

ノレド「そうかもしれない、そうかもしれないけど、ではなぜスコード教は残された? みんな戦わずにずっとやってこられた? キャピタル・タワーは壊されずに残ってきた? ディアナさんの話のも何か間違いがあるはず。ムーンレイスが邪魔なら500年も眠らせずに殺してしまえば良かった。冬の宮殿の怖ろしい映像も消してしまえば良かった。でもそうしてないじゃん。だから、違うんだよ。悪い人もいれば、良い人もいたんじゃ?」

ウィルミット「(思い出しながら)ジムカーオという人は、あのキューブの中にはレイハントンもラ・グーも入れないといっていました」

ラライヤ「反逆者?」

ディアナ「宇宙世紀復活を望んでいる人間がいたということですか」

ノレド「エンフォーサーって何? あのアンドロイドって奴は、自分のことをエンフォーサーだといったんだ。あたし、ビーナス・グロゥブのキューブっていうのを全部壊しちゃったんだ!」

ディアナ「・・・おそらく、平和な時代を作り替えるための大きな行動を起こす者たちを指すのでしょう。それらを破壊したのなら大手柄です。よろしい。大筋は理解しました。ではあなた方はこれから船に戻り、この話をお伝えください。ウィルミット長官の話も併せて考えれば、現在トワサンガにいるジムカーオという人物もエンフォーサーなのでしょう」

ノレド、ラライヤ、リリンの3人はG-アルケインに戻ろうとしたが、ノレドだけが振り返った。

ノレド「ベルリのお母さんは?」

ウィルミット「わたしはここに残ってムーンレイスの方々のお手伝いをします。法王さまはご無事で?」

ノレド「無事です。メガファウナにいます」

ディアナ「ではスコード教の法王という者もこちらによこしてください。冬の宮殿にある記録のすべてをお見せするからと」

リリンはノレドに手を引かれていたが、それを振りほどいてウィルミット元へと走った。

リリン「女王さまと一緒にいたい」

ディアナ「この子はこちらで大切に預かりましょう。すぐにそちらへ使いのものを差し向けます。トワサンガには反逆者、地球からは戦艦が迫っています。早く!」






月の裏側にある冬の宮殿とハイパーループで結ばれたムーンレイス月面基地に到着したのは3時間後であった。

ウィルミットとリリンを伴ったディアナ・ソレルは真っ先に指令室に赴いた。

ディアナ「地球人どもの様子はどうか」

ハリー「例のザンクト・ポルト周辺でいまだ戦闘中です」

司令官の座席についたディアナはモニターに映し出されたザンクト・ポルトの様子を見ていて、横にいるウィルミットに訊ねた。

ディアナ「彼らの戦艦でこちらに来るにはどれほどの時間が掛かろうか?」

ウィルミット「2日はかかります。しかし私はタワーのことが心配で」

ディアナ「キャピタル・タワーというものをわたくしは知りませんが、それは地球の大気を燃やさず大気圏の中まで降りられるものなのだな」

ウィルミット「左様です。戦艦だのモビルスーツだの、見ているだけでウンザリしてきます。ああやって戦争するのは勝手ですが、戦艦もモビルスーツもフォトン・バッテリーで動いており、ビームのエネルギーもすべてそうなのです。どことどこが戦争しているのか知りませんが、バッテリーの配給が停止されているのになぜ無駄遣いをするものやら」

ディアナ「エネルギーがないのに戦っているということなら、やはりこちらに奪いに来るのでしょう。ハリー! いますぐ500名の技術者を伴いメガファウナと接触しなさい。あちらは惑星間連絡船を2隻持っています。運用の手助けをさせるとともに、その技術体系を見てこさせなさい。あなたはスモーで出撃して今後の作戦立案をなさい」

ハリー「は、ただちに!」

ハリーが指令室を離れるとディアナは座席を離れてウィルミットとリリンの傍にやって来た。

ディアナ「わたくしはかつてディアナカウンターと名づけて宇宙移民の子孫を地球へ帰そうとしたのです。しかし、宇宙移民に残った技術を地球に持ち込めば再び争いが起こるのだと確信して月へと戻りました。それに、当時の地球はまだ宇宙に残した古い動植物を移植するには環境の再生が不十分だったのです。長官よりいろいろお話を伺い、いまがそのときなのだと確信いたしました。これを機に戦争の火種を完全に消し去り、新しい歴史、真の平和の歴史を取り戻すのがわたくしの責務です。長官にはぜひ協力者になっていただきたい。この子たちのため、ムーンレイスの子孫のためにも」

ウィルミット「承知いたしました。スコード教というものに不信を抱くお話も多くありましたが、わたしはやはりスコード教の考えこそ平和の礎なのだといまでも思っております。どうせわたしは戦争のお役には立てません。それならば、ここで歴史の真実を学びたい」

リリン「(ディアナを見上げ)リリンも勉強する」

ディアナ「賢い子です。しかしまずは、この宇宙に平和を」







ザンクト・ポルトに近い位置で鉢合わせになったクリム・ニックのゴンドワン艦隊とアイーダ・スルガンのアメリア艦隊は、そのまま地球の引力圏であるに関わらず艦隊戦になだれ込んでいた。

緒戦こそタワーを気にしながら双方がモビルスーツで威嚇し合うだけだったが、性能に劣るアメリアのグリモアがミック・ジャックのラ・カラシュに撃墜させられたことがきっかけとなりビームライフルが使用され、少しばかりタワーとの距離を作ってからは艦砲射撃にまで発展していた。

艦隊戦は両軍の激しい撃ち合いにまで発展し、クリムもアイーダも自分が何をやるために宇宙へ出てきたのか忘れてしまうほど戦いに熱中した。

ゴンドワンの新造艦オーディンは宇宙用に改造されたラトルパイソンより機動力に優れていたが、ラトルパイソンの重装備を前に戦いあぐねていた。そこでクリムは性能的に圧倒的に優位なMS戦に打って出たのだ。ゴンドワンの新型MSルーン・カラシュはグリモアを圧倒した。

ところが性能に劣るグリモアも数の上では圧倒的に優位に立っており、MS戦を長引かせれば撃墜されるルーン・カラシュも目立ってきた。クリムもアイーダもまるで引く気配がないために、戦局は再びMSを引っ込めるて艦隊同士の激しいぶつかり合いに移っていった。

これに慌てたのがザンクト・ポルトのケルベス・ヨーであった。主砲を激しく撃ち合い、激しく位置取りに興じるゴンドワンとアメリアから、キャピタル・タワーを守り抜かねばならなかった。

ザンクト・ポルトと144番ナットから出撃したレックスノーには大きな盾が装備された。

ケルベス「タワーには傷ひとつつけるな! ビーム拡散幕はありったけ使って構わん。とにかくここを守り抜くんだ!」

作業用MSを警備用に改造しただけのレックスノーは、大きな盾を正面に構えて隊列を組み、ビーム拡散幕がはじいたものを必死に受け止めた。レックスノー隊はケルベス自身が指揮を執り、艦隊戦の行方を見守りながら細かく隊列の向きを変えてタワーを防衛した。

ケルベス「みんなよく見ておけ。これが戦争だ。戦争は殺し合いではない。奪い合いなのだ。人間はザンクト・ポルトを奪うためなら肝心のザンクト・ポルトを危険に晒して平気な生き物なのだ。だが我々は違う。断じて戦争屋ではない。我々はキャピタル・ガードだ。ここを守るためにオレたちは勉強し、訓練を受けてきた。この差を胸に刻んでおくんだ」

レックスノーで壁を作り、四散して流れてくるビームを受け止めながら、ケルベスは必死に訴えた。







ノレドとラライヤを乗せたG-アルケインが戻ってくるなりシートの換装のためにハッパとスタッフたちがコクピットに取りついた。ワイヤーが降ろされ、2人が乗っていたシートが手際よく外されていく。新しいシートは以前のものとはまるで違う仕様になっていた。

ハッパ「ラライヤ、君がいない間にアルケインの座席をG-セルフのシステムに近いものにしておいた。実は理論的なことはよくわかっていないのだが、増幅装置のようなものがついている。ビーナス・グロゥブでヤーン・ジシャールの姿が見えたって言っていただろう? ああいったニュータイプ現象に干渉するものだと思う。テストを重ねてからってわけにはいかないが、操作はいままでのユニバーサル・スタンダードと変わらない」

ラライヤ「了解です」

ハッパ「それにノレド、ちょっと」

ノレド「なんですか?」

ハッパ「(ヘルメットをくっつけて接触回線のみで話す)例のエンフォーサーのことだが、あれはまさにこの新しいシート、G-セルフのシートそのものなんだ」

ノレド「どういうこと?」

ハッパ「ニュータイプ現象を増幅させる何かだってこと。あれをG-ルシファーに乗せると、何らかのプログラムが発動してG-ルシファーの本来の目的が発動する仕組みだと思う。だから、ビーナス・グロゥブで何があったのか知らないけど、君の責任じゃない」

ノレド「あ・・・うん!(明るく頷く)」

メガファウナの艦内に警戒警報のランプが点滅し、ヘルメットの中に大きな警報が鳴り響いた。

ハッパ「ふたりはブリッジへ。シートの換装には時間が掛かるからすぐに出撃はできないって艦長に言っといてくれ」

ラライヤ「わかりました」

ブリッジへ上がったふたりはドニエルにことの次第を報告するつもりだったが、艦内は慌ただしくそれどころではない。

ドニエル「ベルリは出せるか」

ラライヤ「どうしたんですか?」

ドニエル「ジムカーオだ。とうとうモビルスーツ隊を出してきやがった」

ギセラ「(モニターから顔を離し)で、どうだったの?」

ラライヤ「ディアナ・ソレルと話ができました。こちらに協力してもらえるそうです」

ドニエル「くっそ、ジムカーオって奴は先手先手を打ってきやがる。(みんなに向かって)ムーンレイスの救援は間に合わねぇ。何としても三日月と満月を守り通すぞ。ベルリ、ルアン、オリバーすぐに出撃だ。ラライヤは・・・」

ラライヤ「ハッパさんがアルケインはしばらく使えないって。ネオドゥが空いていれば」

ドニエル「(悩みつつ)いや、ラライヤは出撃しなくていい。ノレドとふたりで休んでくれ。いいか、勝手に出るなよ。戦力の投入を考えるのはオレだ」

ノレドはモニターを見つめていた。そこにはベルリの顔が映っている。自分がビーナス・グロゥブでやってしまったことでベルリに嫌われてしまうのではないかと気にしていた彼女だが、ディアナ・ソレルやハッパの話を聞いて少しだけ安心できるようになっていた。

それでもまだ昔のようにベルリに接することはできない。

ドニエル「前の接触はG-シルヴァーを追いかけてきただけだが、今度は何があってもおかしくない。三日月も満月もいつでも発進できるように準備しておけ」

エル・カインド「戦艦のようには動けないのですよ」

ベルリ「G-セルフ行けます」

ドニエル「すぐに外に出て三日月と満月を守ってくれ。守れたってデカすぎるのはわかってる。とにかくやってみせるしかないんだからな。自分からは撃つな。相手が発砲してきたら応戦だ」

ベルリ「了解。ベルリ、出ます!」

ノレドはベルリの無事を祈って両手を胸の前で組んだ。




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この続きはvol:51で。次回もよろしく。



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