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「Gレコ ファンジン 暁のジット団」vol:38(Gレコ2次創作 第9話・後半) [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム レコンギスタの囹圄」


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第9話「全体主義の胎動」後半



(アイキャッチ)


アイーダは窓から空を眺めていた。そこへふたりの政策秘書が入室してきた。アイーダは独り言をつぶやいた。

アイーダ「1年前にはわたくしもモビルスーツを駆ってあの空を飛んでいたのです。まさか政治家というものがこんなに地を這って生きているものとは思いませんでした。(ソファに腰かける)」

男性秘書「政治家とは最も泥にまみれる一兵卒だとスルガン提督もよくおっしゃっていました」

アイーダ「成したいことが多くあるのに、何一つ成し遂げられない。いつも攻撃に晒され防戦するばかりで物事がひとつも前に進まない。情けない政治家と笑っていただいて結構です」

男性秘書「(居ずまいを正し)大人の自信とは身に得るものではなく、身に纏うものです。政治家の戦いに終わりがないのは、民主主義が機能している証左といってよろしい。全体主義国家の政治家は戦いを終わらせ、地位に安穏としたまま国民を地獄に突き落とすのです」

アイーダが弱気になっている原因は、ズッキーニ・ニッキーニ大統領から仕掛けられる政治闘争が原因であった。ズッキーニ大統領は、息子がゴンドワンに亡命したことで政治生命の危機に見舞われたが、議会工作によって復活し、国民の支持のない下院を掌握することでかろうじて延命している状態であった。下院の選挙があれば、アイーダ派が勝つとの予想が大半であった。

ズッキーニ大統領は、ゴンドワンとの平和条約締結をしきりに訴えていた。

女性秘書「情報部が入手したところによりますと、クリム・ニックからズッキーニ大統領宛に親書が届き、どうやらこの中に平和条約締結の文言があった由にございますね」

アイーダ「その情報はどれほど確実なのでしょう?」

女性秘書「早いうちに親書のコピーを取らせます」

アイーダはゴンドワンの全権大使兼スポークスマンとなったクリムとの間で難しい駆け引きの最中であった。アイーダは戦争終結を求めた「連帯のための新秩序」を発表していたが、クリム・ニックの覇権主義的性向をよく知る立場にあり、ゴンドワンとの戦争を終わらせるつもりはなかった。

アイーダはクリムとの和平は危険だと察知して、彼とは戦い続ける覚悟を決めた。クリムがゴンドワンに亡命したことが原因となり、当初予定していた平和条約の締結が結べなくなってしまったのだ。

そこに付け込んできたのがズッキーニ大統領だった。彼はゴンドワンとの平和条約締結を示すことで、息子の亡命騒ぎを帳消しにして尚且つアイーダを好戦主義者だと印象付けようと画策してきたのだ。

アイーダ「(頭に手をやり)あの親子ときたら・・・」

女性秘書「クリムトンとズッキーニの間の親書が公になれば状況は変わるかと」

男性秘書「公にするまでもなく、こちらがそれを持つだけで交渉カードにはなる。ただ、あのふたりを排除するか分断するかこちらが主導権を持っても、国民の中にはクリムトンの『修正グシオン・プラン』を支持する声は一定数あるので、有権者支持率の高い姫さまの優位性を同時に失う可能性もある」

女性秘書「問題の核心はラ・グー総裁の意思なるものが本当にあるのかどうか、姫さまが訴えているだけで誰も実感できていないことだと思われます」

アイーダ「クレッセント・シップを目の当たりにしてもでしょうか?」

女性秘書「異世界から来た巨大な船がフォトン・バッテリーの配給と回収を同時に行い、ビーナス・グロゥブの存在を見せつけた。でもここはアメリアなのです。スコード教の威信を嫌う人々も大勢います。特にクンタラはまったく別の宗教を持ち、スコード教に敵対的な者が多いとも聞きます。ラ・グー総裁なる人物の平和的人物像が疑われるのも無理はありません」

男性秘書「最悪だったのは法王の亡命とフォトン・バッテリーの配給停止のタイミングです。1年分のフォトン・バッテリーを全世界に撒いて、戦争停止を訴えたのは本当に恒久的平和を望んでのことなのか、それとも・・・」

アイーダ「地球を囹圄として使うつもりではないかとのことでしょう? 地球を囹圄にするのならば、そもそもフォトン・バッテリーなど配給しません。配給しないまま戦争が終わるのを宇宙で待っていればいいのです」

女性秘書「戦争の継続によってイノベーションが起これば、そもそもフォトン・バッテリーに頼らない社会の構築も可能なのでは?」

男性秘書「バッテリー技術の解明も期待できましょう。代替エネルギーも見つかるかもしれません」

アイーダ「イノベーションですか・・・。まさにいまおふたかたが話してくださったことがグシオン・プランです。あれはアメリアそのものと言えるのでしょう。それを娘のわたくしが否定して、ゴンドワンのクリムが訴えている。そのことに焦る方々が議員にいらっしゃって、ズッキーニ大統領が議会で多数派を形成している。しかし、クリムはビーナス・グロゥブには行っていないのです。お父さまもそうです。だからこそアメリアという国の中の常識に囚われ、イノベーションの可能性を信じてしまう。その果てに何があったのか忘却している。わたくしはスコード教は決して宗教ではなく、歴史の反省だと知ったのです。人が人でなくなる恐怖に耐えながら、宇宙の人々は働き、地球の人々のためにフォトン・バッテリーの配給を行ってくれています。これはスコード教という歴史の反省あっての行動です。それを自ら失ったとき、地球は囹圄となって重力の足枷を嵌められるのです」

男性秘書「国家を超えた英知ですか。それを国家を超えたことのない人にどうやって伝えましょう?」






キャピタル・テリトリィには空襲警報さえ鳴っていなかった。

南東より突然5隻の戦艦が姿を現したとき、街の人々は笑顔で手を振っていた。だがそれらが爆弾の投下を始め、轟音とともに火柱が上がると笑顔は恐怖で引きつり、次いで逃げ惑うばかりとなった。

宗教国家キャピタル・テリトリィは、軍と議会が同時に混乱したことで統制を失っていた。また彼らは自分たちが他国からの襲撃を受けると思っておらず、戦争に対する備えも整っていなかった。それを担っていたクンパ大佐、ジュガン・マインストロン司令官、ベッカー・シャダム大尉なども先の戦争で失っていた。彼らはまったく無防備なままで、絨毯爆撃の餌食となっていった。

クリム「(ダ・カラシュのコクピットの中で叫ぶ)これは国家を超える戦いなのだ! いまだ国家などというものに囚われている者は、水槽という囹圄の中で泳ぐ金魚に過ぎん! ゴンドワンの若者たちよ、小さき囹圄から解き放たれよ! 初の世界市民となれ!」

オーディン1番艦からクリム・ニック搭乗のダ・カラシュが飛び立つと、続いて2番艦、ガランデン、ブルジンからも一斉にモビルスーツが降下していった。ゴンドワンの最新鋭量産型MSルーン・カラシュの大軍は、キャピタル・テリトリィ上空より舞い降り、街の中心部にある主要建物を破壊していった。

地上に降り立ったダ・カラシュは次々に指示を出していった。

クリム「マイワーの隊はフォトン・バッテリーの貯蔵庫を占拠。難民は北へ誘い出せ。海を渡らせてアメリアへ行かせるのだ。アメリアはエネルギーに余裕がある。難民を押し付けない限りゴンドワンの不利は覆らないぞ。フィンの隊はタワーを警護しているカットシーのザコどもを掃討しておけ。残りは議会の破壊だ。この国から民主主義のシンボルを奪うぞ」

そういうとクリムは自ら隊を率いて放送局の占拠へ向かった。ミック・ジャックはその背後を守りながら、黒焦げになった街に多くの死体が転がっているのを見て目を逸らした。

全世界に影響力を持つスコード教の聖地で、平和に慣れたキャピタル・テリトリィの住民には反撃の手段などなく、また防衛体制も崩壊してしまっていたのだ。これは一方的な虐殺であった。

だが、キャピタル・テリトリィを早く占拠するにはこの方法が一番早いのは確かであった。こうしてキャピタルの権威を失墜させ、ゴンドワンに世界政府樹立を宣言し、各国の支持を取り付けてトワサンガを征服する。猶予はたった1年しかない。チャンスは1度きりなのだ。

戦争が長引けばフォトン・バッテリーの在庫はもっと早く減ってしまう。

これがクリム・ニックとミック・ジャックが考えた世界平和への道筋だった。世界を強き指導者に委ね、急進的改革によって人々の暮らしを向上させる。クリムとミックの夢は、世界中をアメリアのような豊かで物の溢れる飢える心配のない国にすることであった。

それが恵まれた立場に生まれた責務だとも感じていた。

国家は超えなければならない。そのためにはまず自分が大統領の息子という立場を捨てて一介の若者になってみせなければならない。クリム・ニックはこれをやり遂げ、ここまで辿り着いたのだ。だからふたりでクレッセント・シップを降り、幾夜も語り明かした。

ミック(とうとう始まってしまった。これが野望の代償? 夢を抱く男についてきた報い? もう後には引けない。勝つしか道はなくなった。わたしたちは超えたのか、囚われたのか?)

クリム「・・・聴いているのか、ミック。ミック・ジャック!」

ミック「ええ、はい」

クリム「今日中にビルギーズ・シバを処刑してキャピタル・テリトリィの征服を宣言する。キャピタル・テリトリィの住民はすべて他国へ追い出し、トワサンガから無制限にレコンギスタ希望者を受け入れる。忙しくなるぞ。わかっているのか」

ミック「(笑顔を浮かべ舌なめずりをする)わかってなかったらあなたの後ろを守りませんよ!」






兵士A「ケルベス教官、ビクローバーより緊急連絡です!」

ケルベス「地上からか。何があった?」

モニターに映っているのは地上に残してきたキャピタル・アーミーの新兵たちであった。ケルベスは宇宙からのレコンギスタに備えてザンクト・ポルトに上がり、住民を説得した上でタワーの防衛態勢を整えていたところであった。

ケルベスがマイクの前にやってきたとき、通信は切れてしまった。

ケルベス「なんていっていたんだ?」

兵士A「(青ざめながら)攻撃を受けていると。キャピタル・テリトリィがゴンドワンの攻撃を受けて壊滅状態だと・・・」

報告を聞いたケルベスは言葉を失いしばし沈黙した。

彼はクリム・ニックがどのような策謀を巡らしているか警戒はしていた。だが、そんな彼でもキャピタル・テリトリィが直接攻撃を受けるとは考えもしなかったのである。

ケルベス「これがスコード教徒とそうじゃない人間の違いなのか。オレたちが信じている神聖なるものは、誰の心にもあるわけじゃない。オレはアメリア人のメガファウナに乗ってビーナス・グロゥブまで行き、そんなことは分かったつもりでいたのに」

彼はギュッとこぶしを握り締めて、何も映っていないモニターを睨み返した。

ケルベス「オレは何を間違えた? 何に囚われていた? オレの心はどんな囹圄に入れられていた? なぜ見抜けなかった・・・」

そのとき、ザンクト・ポルトの管制室にいた教え子のひとりが口を開いた。

兵士B「教官。もちろん、取り戻しますよね? 地上がどうなっているのかわからないですけど、皆殺しにはされていないはずです。難民になって逃げた住民が1人でもいるなら、自分らはその人たちを故郷に帰す責務があるはずです」

ケルベス「そうだな・・・。それはそうだ。(笑顔になり)だがな、みんな。国は取り戻すが、これは報復ではない。スコード教という囹圄を失った人間は、ケダモノと同じだ。オレたちはそうはならない。いいな、忘れるな」







コバシ「(怒りに震え)バカじゃないの? 地球人って全員バカじゃないの?」

クン・スーン、ローゼンタール・コバシたちは、ジャングルの中に潜み、遥か遠方で戦争が行われている様子を望遠モニター越しに見守っていた。

ホズ12番艦に囚われていた彼らジット団のメンバー22名は、トラック2台とコバシのズゴッキー1機を奪ってクンタラ国建国戦線の陣地より脱走、夜を徹して走り続け、ようやくキャピタル・テリトリィの都市部が眺望できる場所まで辿り着いていた。

そこへやってきたのが戦艦による絨毯爆撃であった。唖然とする彼らの目の前でキャピタル・テリトリィは無残に破壊されていった。爆撃の轟音と炎は、遠く離れたジャングルまで地鳴りとなって響いてきた。恐怖に駆られた野生動物たちの悲鳴のような鳴き声が響き渡っている。

モニターを眺めながら茫然自失になっているのは、街に自分の子供を捕らえられているクン・スーンであった。彼女は尊敬するキア・ムベッキ隊長の子を地球にて出産し、しばらくは育児に専念していたが、キャピタル・アーミーから高給と恩給の約束を取り付け、子供を預けたまま入隊、そしてクンタラ国建国戦線に身柄を捕縛されたのだった。

自分の子供のことだけではない。キャピタル・テリトリィにはフルムーン・シップで一緒に地球へやってきた大勢の仲間たちが腰を落ち着けて暮らしている。その街が、無残に爆撃によって破壊されているのである。轟音と地鳴りは止む気配がない。

団員A「壊したら修復する仕事が増えるだけなのに、なんで地球人は戦争をやって壊すんですかね?」

コバシ「バカなのよ。地球の重力を受けているとバカになるのよ、きっと。あのさ、元気なうちに地球に来ればムタチオンにもならずに幸せに暮らせると思ったけど、とんだ間違いだったわ。これじゃビーナス・グロゥブにいた方がいくらかマシだったかもよ。地球人の奴ら、ずっと1Gに晒されているとそれが当たり前だって勘違いしちゃうのよ。ジャングルもそう。一切何もしなくてもジャングルはどんどん大きくなる。宇宙じゃそんなことないからね。放っておけばすべて枯れて廃れて拡散してしまう。作られたものの貴重さがわからないのよ」

団員B「こりゃ、隕石でも落として人類皆殺しにしてそれから移住するのが正解かも」

上空を旋回していた戦艦からモビルスーツが降下してきた。彼らがいる場所にはやって来ず、モビルスーツは破壊された市街地へ降りて更なる破壊活動にいそしんでいるように見えた。

団員C「フルムーン・シップでトワサンガにやってきたとき、宇宙世紀時代のコロニーの残骸がまだあったでしょ? あれを全部地球に落としてみたらどうでしょうね。こりゃ、絶滅させないと無理ですよ。(両手を広げて)地球人がまともになることなんでありゃしませんよ」

団員D「ラ・グー総裁が地球人にフォトン・バッテリーを与えないって宣言したのも、あながち間違いじゃないですね。このまま餓死させればいいんですよ」

コバシ「問題は隕石を落とされてもコロニーを落とされてもフォトン・バッテリーを止められても、あたしたちが困るってことね。(頭を抱えて)あー、フルムーン・シップにいればよかった!」

スーン「(ボソッと小さな声で)助けよう」

クン・スーンが何か喋ったので団員たちの嘆きはいったん止んだ。彼らはクン・スーンの子供ジュニアだけは取り戻すと固く決意していた。その子の名がキア・ムベッキ・Jr.だったからだ。

スーンはぼんやりと破壊の様子を眺めていたが、誰に話すともなく再び口を開いた。

スーン「クレッセント・シップで出会ったミック・ジャックという女がいてな。大きく膨らんだお腹を撫ででくれたんだ。あんな娘なら、こんな酷いことはしないはずだ。これは人間のやることじゃない。だから、助けてやろう。何ができるかわからないが、困っている人がいたら助けてやらなきゃいけない」

コバシ「姐さんは子供のこと考えなきゃ。おっぱいだって張ってるんでしょ?」

スーン「ジュニアには会いたい。だけど、もう・・・」

クン・スーンは大粒の涙をこぼして大地に崩れ落ちた。






ミラジ「これはもしかしたら大変な拾い物かもしれませんよ」

MS搬送用トラックの荷台から顔を上げたミラジは、横たわった白い機体のコクピット内部から出てきてそう言った。その白い機体は、ホズ12番艦が運んできた念願のモビルスーツであったが、まさかの発掘品とのことでルインは気落ちしたばかりだったのだ。

彼は荷台に素早く駆け上がり、ミラジに声を掛けた。

ルイン「宇宙世紀時代の代物などで戦えますか?」

ミラジ「まずこれは、ナノマシンというロスト・テクノロジーが使用されています。大きな機体ですが、本当は見えないほど小さなロボットの集合体なのです。わたしも詳しくはないですが、ヘルメスの薔薇の設計図が整理されたときに、あまりに危険な技術はフォトン・バッテリー仕様に置き換えることなく技術として放棄されたようなんです。これはそんな時代のものでしょう」

ルイン「(コクピットを覗き込み)なかは新しいように見えますが」

ミラジ「話ではビーナス・グロゥブのローゼンタール・コバシさんが整備されたようです。ナノマシンはコクピットには使用されていないので、おそらくは朽ちていたのでしょう。そこでコクピットだけユニバーサル・スタンダードになっていまして、操縦系をリンクさせてあります」

ルイン「つまり、ユニバーサル・スタンダードで操縦はできると」

ミラジ「操縦はできますが、何と何がリンクされていて、どうすれば戦えるのかなどは手探りで理解するしかないようです」

ルイン「(装甲を眺めて)カラーリングはG-セルフとそっくりだが、性能で大幅に劣るようなら意味はないのだ。自分にはどうしても倒さねばならぬ人間がいるので。おっと、失礼」

ルインはミラジとロルッカがレイハントン家の人間であることを思い出して首をすくめた。ミラジは協力的だが、ロルッカはいわれたことしかやらず、ミラジ以外の人間と口を利こうともしない。クンタラに対して差別的態度をとるために、彼を嫌っている者は多かった。

ミラジ「G-セルフは確かに良い機体ですが、ユニバーサル・スタンダードに置き換えられ、フォトン・バッテリーで動くように作られているということは、それだけ安全性に配慮されているということでもあるんです。その点、宇宙世紀時代の機体は相手を破壊することだけに特化してありますから、攻撃力ははるかに高い。ほとんどは朽ちているので使い物にならないだけで、こうしてナノマシンというロスト・テクノロジーで出来ている以上、期待してもよいと思いますが」

ルイン「わかりました。ではパイロット認証を行いますので」

そういってルインはコクピットに潜り込んだ。

たしかに座席やパネルなどは新品のユニバーサル・スタンダードに置き換えられている。操縦系統もそうであった。ただ、何をどう操作するとどう動くのかわからないというのは不安であった。それに武器が装填されているかもいまのところ確かめようがない。

ルイン「(コクピットの中で)G-∀という名前だそうだが、1度実戦で使って威力を確かめてみないとベルリとの決戦で恥をかかされることにもなりかねん」

その夜のこと。

ルインとマニィは専用の宿泊所となったロッジでキャピタル・テリトリィがクリムトン・ニッキーニによって完全制圧されたとのニュースを仲間とともに聞いていた。ルインはお腹が大きくなりつつあるマニィを気遣って仕事から外させたがっていたが、マニィは彼の手伝いをやめるつもりはなかった。

ルイン「(ニヤニヤ笑いながら)天才クリムはやはり天才だよ。こちらの筋書き通りに動いてくれる。(皆を振り向き)世の中には操り人形というのがあるが、操ってもいないのに思い通りに動いてくれる人形は何と呼べばいいのだろうな!」

広間に集結した仲間たちからどっと笑い声が起きた。ルインの演説は続いた。

ルイン「天才クリムくんはキャピタル・テリトリィ首相ビルギーズ・シバを謀殺したそうだ。これでクリムを倒す大義名分は立った。キャピタルはしばらくジムカーオ大佐に任せて、我々はゴンドワンをいただく! そして、原子炉、核融合技術をものにし、全世界の救世主となるのだ。世界のすべてがクンタラ国だ。我々が地球の支配者となるぞ!」

うおおと歓声が巻き上がった。それだけの戦力がゴンドワン北方には集結しつつあったのだ。そして数はまだまだ増えていた。遠くアジアからの難民船がやってこれば、ゴンドワンの先住者と肩を並べるほどの数になる。

マニィ「(ルインに向かって小声で)そしてあなたは王になる」

ルイン「妃は君で、王子はこの子だ」

ルインはそう呟いてマニィのお腹をさすった。

ゴンドワンには世界中からクンタラが集まり、アメリアはクンタラの亡命者を受け入れ中であった。

さらにトワサンガにいるジムカーオ大佐もクンタラであり、さらにルインはトワサンガに上がったキャピタル・アーミーの中にマスク部隊の生き残りを潜入させてあった。これはジムカーオ大佐にも知らせていない。

ルイン(ヘルメス財団の人間がなぜいまごろクンタラを使おうとしたのかはわからんが、これは千載一遇のチャンスだ。死を恐怖するヘルメス財団の人間など恐れるに足らん。地球もトワサンガもビーナス・グロゥブもすべて手に入れてくれる。あとはベルリと戦える機体を手に入れるだけだ)


(ED)


この続きはvol:39で。次回もよろしく。







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