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「ガンダム レコンギスタの囹圄」第6話「恋文」後半 [Gのレコンギスタ ファンジン]

「ガンダム レコンギスタの囹圄」


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第6話「恋文」後半



(アイキャッチ)


シラノ-5を飛び出したG-ルシファーは、コロニーのすぐ近くにいまだ停泊しているクレッセント・シップの姿をモニターで捉えた。前方にある月の裏側には微かにフルムーンシップの機影も確認できる。

3人は奪ってきたノーマルスーツに着替え、改めて座席に座り直すと宇宙空間を月に向かって進んだ。

リリンの横のナビゲーター席に座ったノレドは不思議そうに呟いた。

ノレド「トワサンガとビーナス・グロゥブって通信はできないんでしょ?」

ラライヤ「(G-ルシファーを操縦しながら)通信はできないはずですよ。ビーナス・グロゥブの意向はすべてクレッセントシップで伝えられることになってますから。それにトワサンガの人間はビーナス・グロゥブのことはほとんど知りません。天上界ですから」

ノレド「(不思議そうに)だったらさー、ラ・グー総裁がフォトン・バッテリーの配給を停止したって話は誰が持ってきたの? クレッセント・シップもフルムーン・シップもここにあるんだよ」

ラライヤ「そういえば・・・(不思議そうな顔で)え、その話ももしかしてウソなんですか?」

ノレド「ウソかどうかはわからないけど、通信してなければウソってことになるよね?」

ラライヤ「(怒った顔で)騙されるって本当に嫌な気分になります!」

ノレドは横に座っているリリンが悲しげな様子でうつむいてしまったのを見咎めた。リリンの親はハザム政権派の守備隊だと見做されて市民の攻撃を受け、家を奪われた挙句に母を殺されたのだ。ノレドとラライヤは彼女を不憫に思った。

トワサンガでは元々レコンギスタ派が多数で、レイハントン家が滅亡して王政から民政に移行したときには、拍手喝采でハザム政権は承認されたという。ところがフォトン・バッテリーがビーナス・グロゥブから来なくなると分かったとたんに民衆は掌を反し、自分たちで承認した政権に石を投げ、レイハントン家の妃になるとの触れ込みだったノレドになびいたのである。

ノレド「(リリンの頭を抱きかかえながら)こうして考えてみると、お姫さまなんてやってられないね。またいつクーデターに遭って殺されちゃうかわかんない」

ラライヤ「わたしはレイハントン家のことは小さかったのであまり覚えていないのですが、親はレイハントン家の家臣で、ドレッド将軍に殺されたと聞いたことがあります。それからわたしはずっと孤児で、フラミニア先生に教育を受けさせてもらったのです」

ノレド「リリンのお父さん、生きてるといいね。あたしは女王さまって柄じゃないけど、王さまになるベルリってお兄ちゃんは優しくていい人だから、きっとみんなのことを許してくれるよ」

リリン「わたしたちは地球に行けますか? レコンギスタをしないとみんな化け物になって死んじゃうって・・・。お父さんはハザム首相についていけばみんなが地球に行けるって」

ノレド「(少し怒った調子で)みんな地球に呼んじゃえばいいのよ」

ラライヤ「もしかしたら、ベルリさんが日本というところでクレッセント・シップを降りたのは、レコンギスタしてきた人たちをどこにどれくらい入植させられるか調べていたんじゃ?」

ノレド「そうなのかな?(ハタと気づき)そうだ、ベルリはトワサンガの王子さまだもんね。ベルリはクラウン運航長官の子供で、飛び級生で、トワサンガの王子さまなんだ・・・。生まれたときから・・・」

そう答えてリリンに微笑みかけたあと、ノレドは泣き出しそうな顔をそっと隠した。G-ルシファーは月の裏側に着地しようとしていた。






ウィルミット「もうわたくしはおばあちゃんですから、煮るなり焼くなり好きになさってください」

ジムカーオに付き添って屋敷を出たウィルミットは、自暴自棄にそう言った。王子の義母との触れ込みで親しみを込めて傅いていた近衛兵団なるものは、G-ルシファーを送り出してしまうとウィルミットには急によそよそしくなり、ジムカーオに連れられて行く彼女の護衛につこうとはしなかった。

ふたりを乗せた車はゲートの前で停車した。そこからはふたりきりの移動となった。

ジムカーオ「もうこの際なので、運航長官には自分への疑いは晴らしていただきます。もちろんノレドさんとラライヤさんが戻られればお屋敷に返しますし、ベルリ坊ちゃまが戻られても同様です。フォトン・バッテリーの配給が開始されれば、クラウンの運航長官の職に戻っていただいても結構。ただ、あとでお話いたしますが、同じ職にあっても気持ちは大きく変わるでしょう」

ふたりは車からエレベーターを乗り継ぎ、ノースリングへとやってきた。そこは農業セクションであるサウスリングとは全く違う、機能的な都市風景をもった行政セクションだった。緑化された空間以外に土はなく、湿度調整機能のある軽量のコンクリートで空間全体が覆われていた。

しかし、サウスリングの広さと比較して圧倒的に狭かった。1キロメートル四方ほどの広さしかなく、その先は巨大な壁で仕切られていた。まるでこの空間全体を覆い隠す意図があるかのように。ふたりは街でもひときわ高い尖塔を持つビルに入っていった。

ビルの中には大きな吹き抜けがあり、エレベーターがひっきりなしに上下に動いて人を運んでいた。フロアを生き返人間も多く、誰もかれも忙しそうだ。キャピタル・テリトリィ調査部の制服を着たジムカーオ大佐には誰もが一礼をしていく。ふたりは専用のエレベーターに乗った。

ジムカーオ「(勝手知ったる調子で暗証番号を打ち込みながら)長官はキャリアなので、こうした光景の方が馴染みがあるでしょう。シラノ-5のノースリングの奥は行政区域で、こここそまさにスペースノイドらしい場所といえるかもしれません」

ノースリングが狭いのは、その奥にもっと大きな空間があるためだった。その場所に脚を踏み入れると、確かに雰囲気が変わるのがウィルミットにもわかった。壁を観察してみると、すでに使われなくなった古代文字が使用されていたりもした。文字こそまさにユニバーサル・スタンダードで最も重要な統一すべきものであるのに。

ジムカーオの執務室は、白い壁と透明なアクリル板で作られた広いオフィスであった。どの部屋の壁も透明で、なかで働く人の姿が見える。肌の色は様々。男女の比率も同等程度。ウィルミットが初の女性クラウン運航長官として夢見てきた理想の職場がそこにあった。

ジムカーオ「(机の上のボタンを押して回線を繋ぎ)クラウンの運航長官をお連れした。何か飲み物を。いや、人でなくていい。アンドロイドに運ばせてくれ」

ウィルミット「(ソファに腰かけながら驚き)アンドロイド! まさかそんなものが! これは重大なタブー破りではないのですか?」

ジムカーオ「アンドロイドを知っていらっしゃる? 長官におかれましてはお伽噺ででもお読みになられましたか。(落ち着いた声で)逆です。タブー破りはモビルスーツのような戦闘人形を作ることであって、宇宙で生活するのにロボットやアンドロイドは必要不可欠なんです。モビルスーツも元来宇宙空間用の作業用ロボットスーツでした。それをこの宙域に住み始めたジオンというのが汎用人型兵器として応用した。そんな些細なきっかけで、人間は2000年も戦争を続けた。モビルスーツを消費するためだけに2000年も資源のある宙域に移動しては殺し合った。その利益を貯め込んで肥え太ったのが我々ヘルメス財団です」

ジムカーオの執務室にティーセットを持った美しい女性が現れた。たしかにその女性は美しかった。ウィルミットは驚愕して彼女をしげしげと眺めた。女性は銀色の肌をしていた。大きく見開かれた瞳には十字の走査線が走り、ウィルミットを記録しているかのように見つめ返していた。

ジムカーオ「本来、この行政区域に立ち入ることがタブーなのです。ここはヘルメス財団の人間以外は立ち入りできません。法王も、レイハントンも、ラ・グーさえも」

ウィルミット「法王さまも・・・」

ジムカーオ「ここに長官をお連れしたのはほかでもありません。長官の行政能力はここ数日観察させていただきましたが素晴らしいの一言です。ぜひあなたをヘルメス財団のメンバーに推薦いたしたい」






ラライヤはG-ルシファーを巧みに操って月面にある巨大なハッチの前で立ち止まった。

月は光と影の世界だ。その荒涼とした色彩がひとつの芸術であり、神聖なものであった。その場所に法王庁が管理する冬の宮殿があるという。しかし、ラライヤが案内してきたのはそうした神秘的な場所ではなく、ごくありきたりな真空を遮断するハッチの前だったのだ。

ノレドもリリンも月面にこんなものがあるとは考えもしなかったので、ポカンと口を開けてモニターを眺めるばかりであった。月の裏側は太陽光の当たらない漆黒の空間であった。ヒーターが絶え間なく温風を吹き出して操縦席を暖めている。

ノレド「月って遠くから眺めると黄色いのに、近くに寄るとこんなにも黒くて殺伐としてるんだ」

ラライヤ「新兵訓練で月に置き去りにされたことがあるんです。宇宙空間に慣れるためなんでしょうね。歩いてネオドゥのあるところまで酸素が切れないうちに移動して、モビルスーツで軌道上にあがって月を1周するんです。それで太陽が当たる場所と当たらない場所の気温の違いを体感してから、シラノ-5に戻るんです。そのときにこのハッチを偶然発見したんですよ」

ラライヤはG-ルシファーを操作して手動でハッチを開けるとどんどん中へと入っていく。

ノレド「(不安そうにリリンと抱き合いながら)真っ暗だけど、中に入ったことあるの? 中のことわかってるの?」

ラライヤ「何度も来てます。大丈夫です。もうすぐ月の世界が拓けてきますよ。ここはムーンレイスが作り上げた遺跡で、ごく少ない彼らの末裔が最低限の管理をしているといわれています。冬の宮殿はここにあるんです」

リリン「冬の宮殿は地獄の底に繋がる穴があるんだよ」

ラライヤ「(笑顔で)そういうお伽噺を読んでわたしたちは育ってきたんです」

G-ルシファーは、巨大な月の内部空間に出た。道路があり、建物があり、公園がある。土には枯れた樹木が葉もつけず突き刺さっている。舗装された道路には何台もの車が乗り捨てられ、モビルスーツが激突したまま破壊されたビルがそのままの形で残っていた。

月の内部そのものが大きなコロニーのように改造されていた。月はシラノ-5のような岩石を利用したコロニーであったのだ。それはムーンレイスという種族が作ったものだというが、明らかに戦争に爪痕が残っているさまは宇宙世紀時代からここが存在することを物語っていた。

G-ルシファーはある建物の前で止まった。それが冬の宮殿であった。ラライヤはふたりを残して先に下へ降り、酸素濃度や気温などを調べてからヘルメットのバイザーを上げて呼吸をしてみた。大丈夫だったらしく、ふたりに手招きをして降りてくるように促した。

ノレドは持ち込んだリュックの中から何かを取り出してポケットにしまうとリリンを抱きつかせた姿勢で地面に降り立った。

ノレド「重力がある?」

ラライヤ「月よりも地球に近い重力があるんです。仕組みは実はよくわかりません。ムーンレイスという人々の科学力はかなり進んでいて、アグテックのタブーがなかったようなんです」

冬の宮殿に入った3人は口々にゲル法王の名を呼んだ。宮殿の中は暗く、誰もいない。空気があるので3人のコツコツという足音だけが異様に響き渡った。宮殿と呼ぶにはそこはあまりに殺伐としていた。

ノレド(月の本当の姿を建物の姿にしたみたいだ。何もなくって、白と黒しかない)

ラライヤ「誰もいないのでしょうか?」

ノレド「万が一のために救難信号を出す小型発信器を置いておくね。(床に小さな箱を置く)法王さまが冬の宮殿にいるっていうの、本当なのかな?」

そのとき、リリンが短い指を前に突き出した。前方に白い階段に力なく腰かけて、両手で頭を抱えたゲル・トリメデストス・ナグ法王猊下の姿があった。3人は走って法王に近づいた。

ノレド「法王さまッ! ノレドです。ノレド・ナグです。しっかりしてくださいッ!」

法王「ああ(力なく立ち上がり)これはノレド・ナグさん。健やかですか」

ノレド「あたしは健やかですけど、法王さまが」

法王「大丈夫です。ご心配をおかけしました」

ノレド「あたしたち、法王さまを迎えに来たんです。一緒に逃げましょう。もうお姫さまのフリをするなんてこりごり。さあ、地球に帰りましょう!」

法王「(弱々しく首を振り)わたくしには罪があります。わたくしがしっかりしなかったために、地球は黒歴史の時代に戻ってしまった。それはこの月の裏側のように暗黒です。何もかもがトワサンガの意志の通り元に戻らなければ、地球は再び見捨てられる。すべてわたくしの罪なのです」

ノレド「そんなこと・・・、そんなことないです!」

そのときだった。4人の頭上に映像が浮かび上がった。すさまじい噴煙を噴き上げて地上を離れるロケット、月に降り立つ飛行士、開拓されていく月、その周囲にできていく円筒状の巨大構造物、地球の文明が宇宙に拡散し、地球と月の間に羽を広げた筒が何本も完成していく。それが地球と月の間を覆いつくし、小さなシャトルが地球から絶え間なくそこに人間を運んでいく。

円筒状の巨大構造物に何十万人も移り住み、緑が植えられ、街が完成していく。人々は宇宙服を脱ぎ、地球を模した街で生活を始める。走り回る子供たち。沸き上がる民衆。演説する男。組み立てられていく巨大ロボット。火花。破壊。戦艦同士の戦い。死。繰り返される死。宇宙に作られた巨大な円筒構造物が燃えながら地球に落下していく。爆風。一瞬で吹き飛ぶ街並み。文明の崩壊。砂漠化。

白いモビルスーツと赤いモビルスーツの戦い。早回しで何度も繰り返されるモビルスーツ同士の戦い。人間が作りあげたはずの円筒構造物から発せられる光の束。熱。溶ける戦艦。死。人間は作り、殺す。何度も作り上げては殺していく。すべての円筒構造物が廃棄され、朽ちていく。それでも続く白いモビルスーツの戦い。やがて放棄される地球と月。

巨大宇宙船で母星を見捨てる人間。惑星への移住。資源の採掘。地球を模して作られる街並み。モビルスーツの登場。開始される破壊。見る者を圧倒し呆れさせる爆発の数。爆発。死。それでも作られる新型のモビルスーツ。対立。破壊。戦争。熱狂する人々の歓声。モビルスーツの破壊。そのあとに起こる大爆発。融解する街。焼けただれる人間。死体で埋まる川。汚染された星を捨てる人類。

宇宙船による移動。惑星への入植。地球を模した街並み・・・。

法王「ああ、ああ・・・」

ノレド「(映像が浮かぶ天井に向けて叫ぶ)そんな罪を終わらせるのがスコード教なんだ! もうやめろ! 何がムーンレイスだ! やめろーーーーーッ!」






シラノ-5には多くの住民さえ知らない隠された行政区域があった。それこそがトワサンガが2重行政であった証であった。

その執務室のひとつにジムカーオ大佐とウィルミット長官が向かい合って座っている。

ジムカーオ「宇宙世紀が1500年に達したころでしょうか、自分たちの祖先は外宇宙にいたといいます。そこでずっと兵器を作って利益を上げ続けていました。しかし、おそらくは虚しくなったのでしょう。一部が再び太陽系を目指し、エネルギー確保のために金星宙域の廃棄された施設に住み着いた。そしてリギルドセンチュリーやアグテックのタブーを定め、スコード教を興しました。すべては宇宙世紀を否定して、平和で安定的な文明を再構築するためです」

ウィルミット「それがビーナス・グロゥブの始まりだと」

ジムカーオ「そうです。宇宙世紀とリギルドセンチュリーの最大の違いは、核の放棄です。核は便利なものですが、エネルギーの過剰は戦いの苛烈を生じさせます。そこで核をアグテックの最大のタブーにして、代替としてフォトン・バッテリーを使い始めたのです。もうこの宇宙に原子炉を積んだモビルスーツは存在しません」

原子炉と聞いて、ウィルミットはそれが厄介な発掘品として多く見つかっていることを思い出したが、ジムカーオには話さなかった。

ジムカーオ「月にやってきたとき、我々の祖先はそこでムーンレイスと名乗る地球から月に上がってきた者らと接触しました。お互いにつかず離れずの関係でしたが、彼らが宇宙世紀時代の生き残りでスコード教への改宗を拒否したために、500年ほど前に彼らを封じてキャピタル・タワーの建設を始めたのです。そして、スコード教の布教を開始しました。お判りいただけたでしょうが、キャピタル・テリトリィとは、つまりビーナス・グロゥブであり、ヘルメス財団なのです。キャピタル・ガードの調査部とは、最初からトワサンガのレイハントン家やビーナス・グロゥブ総裁に地球の現状を知らせる組織だったのです。ところがそこにピアニ・カルータが入り込んで偽の情報を流し、宇宙ではレコンギスタの必要性を訴えて軍備を増強させ、地球では宇宙の脅威を謳って各国に戦争の道具を与えてしまいました。そのことに長年気づかなかったのは、調査部から偽の情報が流されたためです」

ウィルミット「つまり大佐はそれを元の正しい形に戻そうとされているのだと?」

ジムカーオ「左様です。自分はなにひとつウソなど申しておりません。ウソがあったとすれば、それは情報が間違っているのです。自分の知識は完全ではない。それはあなたも同じはず。キャピタル・ガードにはそもそもふたつの目的があったのです。あなたが長官になった際に、すでにクンパ大佐は調査部の責任者だったでしょう? あなたは前任者から情報の一部を引き継ぎできなかったのです」

ウィルミットは深く溜息をついた。

ジムカーオ「ヘルメス財団の意思は、ピアニ・カルータ以前の状態に戻すことです。これが達成されない限り、フォトン・バッテリーの配給再開はあり得ません。ですから、メガファウナがこちらへやってきたら、ぜひとも長官にはレイハントン家再興の必要性をご子息にお話しいただきたい。自分が育てた子だの、そんなお話はなしにしていただきたいのです。では、それまであちらの者がここでのお仕事についてご説明させていただきます。失礼ながら自分は仕事が立て込んでおりまして。では」

若い女性が執務室に入ってきて、ウィルミットを部屋の外へと連れだした。女性はウィルミットにひとつひとつ説明していたが、何の言葉も耳には入ってこなかった。

ウィルミット(こんなのいけない。ベルはまだ子供なんだから、自分で未来を選ぶ権利がある。王子としてフォトン・バッテリーのためにこんな岩の塊の中で生きていけなんてわたしには言えない)






ラライヤはG-ルシファーの中で叫んだ。

ラライヤ「だからこのまま地球になんて行けませんって。エネルギーが持ちませんよ」

G-ルシファーの中にはゲル法王の姿もあった。法王は法衣のままで、ノーマルスーツさえ着ていない。ノレドはしきりに地球に帰ると息巻いてラライヤを困らせていたが、モニターにクレッセント・シップが映っているのを見つけると急に考えを変えた。

ノレド「じゃあさ、クレッセント・シップに乗ってビーナス・グロゥブへ行こうよ。ラ・グー総裁なら法王さまがとてもとても大事な役割があるってちゃんと話してくれると思うの」

リリン「(ノレドの膝の上で振り返り)天の神様の世界へ行くの?」

ノレド「(リリンの頬を手で挟み)そうだよぉ。法王さまと神様のところへ行こう」

ラライヤ「ダメですよ。もうすぐベルリが来るんですよ。結婚するんでしょ?」

ノレド「あんな大人の決めた話なんて無視無視」

ラライヤ「そんなこと言ってこの機を逃したら最後かもしれないのに。ベルリさんはトワサンガの王子さまで、地球に戻らないこともあるんですよ」

ノレド「(声を落とし)いいのさ・・・、ベルリにはあたしの気持ちを伝える手紙を書いてある。読むも読まないも運次第。あたしはそれに賭けてみるんだ・・・」

ラライヤ「(ヤケになって)知りませんよッ!」

G-ルシファーは方向転換をして、アイドリング中のクレッセント。シップへと向かった。

ノレドが書いたベルリへの手紙は、ハート形のシールで封をして、書斎の引き出しの中にそっと仕舞ってあった。


(ED)



この続きはvol:33で。次回もよろしく。



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